2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21000002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福島 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (30241227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 宏行 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (80178590)
垣本 史雄 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00092544)
荻尾 彰一 大阪市立大学, 理学研究科, 准教授 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 極高エネルギー / 宇宙物理 / 素粒子物理 / 国際共同実験 |
Research Abstract |
【観測】米国ユタ州に設置した空気シャワーアレイ(地表粒子検出器507台)、大気蛍光望遠鏡(3ステーション38台)、長距離無線ネットワーク、各種のデータ較正装置を、日米韓露4カ国の共同で運用した。本年度は、望遠鏡による観測を約850時間、地表検出器による観測を約7720時間行った。2011年6月、洪水により9台の地表検出器が水没・破壊された(11月に交換復帰)。2012年2月に、望遠鏡ステーションの外壁が暴風によって破壊され、反射鏡が汚染された(4月に復帰見込)。【装置補修など】以下の作業を行った。[1]較正用加速器の高圧トリガーを交換修理し、11月に空中射出を再開、[2]11月、地表粒子検出器11台(うち水没・破壊分9台)を予備機と交換、[3]11月、地表検出器約220台の蓄電池を交換、[4]2012年3月、望遠鏡ステーションの外壁修理[5]予備地表粒子検出器(35台)の材料を調達。 【グループ運営】国際共同研究の円滑な運営をめざし、[1]隔月のTAデータ解析会議(TV・電話会議・スカイプによる)、[2]年3回のTA全体会議(大阪1回とユタ2回、うちユタの1回は拡張データ解析会議に変更)、[3]隔月のTA executive meeting(電言会議)、[4]毎週のTA operation meeting(電話会議)を行った。日本グループとして、[6]毎週の研究打ち合わせ(電話会議ほか)と[7]隔月定例打ち合わせ(柏・宇宙線研)を行った。【成果発表】[1]6件の国際シンポジウム[2]日本物理学会秋季大会(弘前大学)、[3]第67回年次大会(関西学院大学)で、研究成果を発表した。[4]国際シンポジウムUHECR2012(2012年2月13-16日、CERNにて)の開催に助力した。【雇用】TAグループ全体で特任助教3名と専任秘書1名を雇用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的として(1)起源天体の同定、(2)GZK限界の存否、(3)粒子成分の特定、を掲げている。(1)についてはAGNや大規模構造の相関解析、自己相関解析を行った。現状の事象数では、有意な相関は観測されていない。(2)についてはGZK限界の存在と矛盾しないエネルギースペクトルを得た。(3)については10^<★★>19.4電子ボルト以下の領域で、陽子から期待される分布と一致した。研究成果を国際会議で発表。
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Strategy for Future Research Activity |
【1】観測事象数をあげる。【2】新たな較正法を開発・実行する。【3】データ解析方法を見直し改善する。これらの努力により観測精度を高め、研究目的の達成に努める。研究成果の学術誌への投稿を進める。南半球のオージェ観測所と協力し、データの比較、解析方法の検討、装置の相互較正などを通じて、全天球の統一的な理解を目指す。
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Research Products
(35 results)