2011 Fiscal Year Annual Research Report
最初期テレビCMの学際的研究-ネットワーク配信による研究・教育活用システムの構築
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21200027
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
前田 庸生 京都精華大学, マンガ学部, 教授 (50434759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森原 規行 京都精華大学, デザイン学部, 准教授 (40434732)
井上 雅人 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (60388189)
村瀬 敬子 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20312134)
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Keywords | 文化資源 / 大衆芸術 / 最初期テレビCM / 大衆文化 / 映像 |
Research Abstract |
平成23年度は、(1)テレビCMデータベースのネットワーク配信の継続・拡充、(2)新規テレビCM資料の渉猟、デジタル化、データベースへの追記搭載、(3)テレビCM言語化作業、(4)テレビCMデータベースの研究・教育活動を柱とした。 (1)については、前年度にデジタル化をはかったTCJ-2、シバプロダクションのデータベース搭載に向けたメタデータ付を完了した。また、増殖するデータベースの円滑な配信のため、Web配信用機材の保守と拡充をはかった。さらに前年度のテレビCMデータベース配信運用協議会において、博士課程後期への閲覧の門戸をひらいたことも功を奏し、論文資料としての閲覧希望者および指導者の閲覧が実現したことは今後の本データベースの活用における明るい材料と考える。 (2)については、大阪萬年社コレクション第2期のデジタル化を行い(研究成果公開促進費による)、新たに約2,700レコードを追記。SEIKAコレクション(TCJ社・さがスタジオ・ハイスピリット社・シバプロダクション作品)と萬年社コレクションの総計は、19,000余レコードに達し、テレビCMデータベースとしては、アド・ミュージアム東京につぐ規模となった。 (3)については、研究協力者である辻大介(大阪大学大学院人間科学研究科准教授)の指導のもと、ハイスピリット社の全作品2,775レコードの言語化をはかった。言語化作業は、平成24年度以降も京都精華大学共同研究プロジェクト「テレビCM言説の実証的研究」においてTCJ-2・シバプロダクション作品、TCJ-3(平成24年度研究成果公開促進費による)と順に推進する予定である。 (4)については、大阪市立大学、大阪大学、東京大学等において修士課程での教育・研究活用が実現されたほか京都精華大学、武庫川女子大学等での講義における活用が報告されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成21~23年度の3カ年間の目標は、(1)最初期CMの保存、(2)ネットワーク配信、(3)研究・教育活用システムの構築にあった。この間、データ数は2倍強に増大、稀少年代のアーカイブも実現したほか、言語化作業により自由語検索を可能にし、研究・教育に資するデータベース・システムの方向性が提示できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研費による研究は一応の終了を迎えるが、京都精華大学共同研究「テレビCM言説の実証的研究」および基盤研究B「基礎資料としてのテレビ文化アーカイブズの構築-テレビ番組研究・テレビCM分析を統合する視点の探求」(研究代表者・大阪市立大学 石田佐恵子)において、さらに深耕をはかる。本研究プロジェクトは、主にテレビCM分析班として、テレビ番組研究班と協働して、テレビ番組とテレビCMの連関性や社会、時代における番組とCMの変容を詳らかにしてゆく。 本科研で培った研究資源をより有効に活用し、多様化するメディアのなかにおいて今なお絶大な影響力を誇るテレビ文化研究を大きく進展させる契機とする。
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