2010 Fiscal Year Annual Research Report
気泡ダイナミクス研究による火山噴火様式の支配要因の解明
Project/Area Number |
21200052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寅丸 敦志 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50202205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 美恵 東京大学, 地震研究所, 助教 (00376625)
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Keywords | 気泡ダイナミクス / 噴火様式 / 間欠泉 / 核沸騰 / 噴出量 / 気泡核形成 |
Research Abstract |
試験物質の物性の問題から、本研究の目的である、気泡核形成のモードの違いと噴出様式の関係を、別の実験、すなわち間欠泉実験において行うように変更した。我々が行ってきた間欠泉実験では、実験条件によって爆発的噴出(ジェット)と非爆発的噴出(フロー)が起こることが分かってきた。今年度は、核沸騰しやすい水道水とし難い蒸留水を用いて実験を行った。その結果、核沸騰の効率がまったく反対の場合でも、フラスコの形状や加熱速度によっては噴出様式が同じになり、かつ噴出量の頻度分布と噴火様式の関係が成り立っていることが明らかになった。すなわち、噴火様式の支配要因は、噴出量の分布を同時に支配しており、それは、核沸騰の効率といった気泡の核形成モードだけではなく、過飽和速度(加熱速度)やマグマだまり(フラスコ)の幾何学にも関係していることを意味している。その結果、噴火様式の支配要因として、噴出直前のマグマだまりの過飽和構造(フラスコ内の温度構造)の不均一性がもっとも重要であるという結論に達した。 火山現象や実験結果を解析するため、マルチフィジックスシミュレーションソフトウェアCOMSOLの使用準備を行った。本研究費で雇用した研究員(4月~8月)とともに、解析解の分かっている弾性波伝播や共鳴現象について評価試験を行った。また、発泡時の気泡振動と管の共鳴の相互作用を調べた実験の結果を、本ソフトウェアを用いて解析し、波形形成過程を明らかにした。また、米国イエローストーンの間欠泉や、霧島火山新燃岳の2011年噴火において、圧力波を計測し、室内実験を応用するための実現象に関するデータが得られた。また、噴火の多様性を支配するマグマ破砕について、衝撃波管実験を噴火の数値モデルに適用するための理論を構築した。
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Research Products
(8 results)