2009 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質研究に新展開をもたらすパラダイムの構築
Project/Area Number |
21200075
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 純子 Akita University, 大学院・医学系研究科, 講師 (30333371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴雄 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (50361605)
|
Keywords | シグナル伝達 / 脂質 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究では、ホスファチジルイノシトール(PIs)の脱リン酸化酵素ならびに脂肪酸転移酵素を欠損するマウスの表現型解析とアシル基を保持した脂質の質量分析計による解析を統合的に行う。 機能未知のイノシトールリン脂質であるホスファチジルイノシトール3,4-二リン酸[PI(3,4)P2]を脱リン酸化して分解する酵素には、2つのアイソザイム(L-PIPaseとP-PIPase)が存在する。本年度は、まず、L-PIPaseとP-PIPaseのマウス成体における役割分担を明確に示すとともに、PI(3,4)P2脂肪酸組成の質量分析方法の確立を試みた。神経細胞特異的L-PIPaseおよびP-PIPase欠損マウスを作製したところ、L-PIPase欠損マウス特異的に神経細胞死が誘導されることを見出した。一方P-PIPase欠損マウスにおいては、腫瘍を形成する遺伝子改変マウスとの交配により、腫瘍が悪性化することを見出している。現在、L-PIPase欠損マウスにおける腫瘍形成について解析を進めている。PI(3,4)P2の脂肪酸組成を解析する方法として、質量分析を用いた検討を進めている。PI(3,4)P2に比べ多量に存在するPI(4,5)P2の除去が課題となっている。
|