2011 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質研究に新展開をもたらすパラダイムの構築
Project/Area Number |
21200075
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 純子 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30333371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴雄 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子細胞医薬部, 主任研究官 (50361605)
|
Keywords | シグナル伝達 / 脂質 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究では、ホスファチジルイノシトール(PIs)のうち、PI(3,4)P2の脱リン酸化酵素ならびに脂肪酸転移酵素を欠損するマウスの表現型解析とアシル基を保持した脂質の質量分析計による解析を統合的に行う。 本年度は、質量分析計を用いたPIsの解析方法の確立を行った。サンプル調製や解析方法を工夫した結果、細胞内セカンドメッセンジャーであるPIP3分子種を解析できる高感度の測定系を確立することができた。次に、微量PIP2分子であるPI(3,4)P2の分子種を解析する手法の構築を試みた。現在、生体内に存在するPI(4,5)P2,PI(3,4)P2,PI(3,5)P2の3種を識別する方法を開発中である。 PI(3,4)P2の脱リン酸化酵素であるL-PIPaseとP-PIPaseのリコンビナントタンパク質を調製し、種々のアシル基を有する4種類のPI(3,4)P2を基質として、脱リン酸化活性測定を行った。その結果、L-PIPaseとP-PIPaseでは、PI(3,4)P2分子種による活性の相違が認められ、L-PIPaseとP-PIPaseの遺伝子欠損マウスの表現型の差異が、蓄積するPI(3,4)P2分子種の違いに起因する可能性が示唆された。上記開発中の測定系が構築でき次第、L-PIPaseとP-PIPaseの欠損マウスにおいて蓄積するPI(3,4)P2分子種を解析する予定である。
|