2010 Fiscal Year Annual Research Report
スピン偏極パルスTEMの開発とナノスピン解析への応用
Project/Area Number |
21221005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 彊 名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (40022735)
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
浅野 秀文 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50262853)
齋藤 晃 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (50292280)
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Keywords | 電子顕微鏡 / スピンエレクトロニクス / 量子ビーム |
Research Abstract |
(1)50-100kV透過光型偏極電子銃・スピン回転器の作製をした:前年度の設計に基づき、実際に電子銃の基本要素である極高真空チャンバー、フォトカソード装着支持台、高電界電極、ビーム軌道90°偏向用球形コンデンサーなどを含む装置を試作した。設計および模型作製などは、研究者グループのみで可能であるが、実際の真空部材の削りだしや表面処理などは、専門技術を有する企業との連携が不可欠となる。そこで、従来の電子銃開発において技術交流を行い、工作実績があるトヤマ社と連携して進めた。 (2)フォトカソードの高輝度化:前年度に引き続き、フォトカソードの改良を行った。TEMにおける応用を考えた場合、輝度の向上は不可欠である。当該年度は半導体フォトカソードの結晶性改善により、実際に用いる励起用レ半導体レーザーで、TEM観察に必要と思われる輝度を超える値を達成した。 (3)40-100kV透過光型偏極電子銃の性能確認と調整:開発した電子銃の基本性能を確認した。偏極度・輝度測定に関しては自ら開発したMott測定器により確認を行った。これにより、レーザー照射法、偏極度90%以上と輝度2.0×10^7Acm_<-2>sr^<-1>以上を達成していることを実証した。 (4)磁性観察用レンズの開発:磁性体試料によっては、対物レンズ内の磁場(~Tesla)によって磁性状態が変化してしまう恐れがある。そのため試料近傍でmT程度しか磁場がない特殊対物レンズを製作した。これはローレンツ電子顕微鏡用に商用化されているものであり、今回はその到達分解能が1nm以下になるよう設計した。 (5)40kVの透過電子顕微鏡(TEM)の立ち上げと偏極電子銃と収束レンズ部の結合:平成21年度立ち上げた電子銃に結合して、偏極電子線をTEM内に通すことに成功した。
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Research Products
(11 results)