2012 Fiscal Year Annual Research Report
スピン偏極パルスTEMの開発とナノスピン解析への応用
Project/Area Number |
21221005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 美和 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部部局等, 研究員 (20111932)
桑原 真人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50377933)
浅野 秀文 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50262853)
齋藤 晃 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (50292280)
中西 彊 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40022735)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / スピンエレクトロニクス / 量子ビーム |
Research Abstract |
(1)新TEMとの結合:電気的安定性を10-6に、真空度を10-7Paに、また差動排気系をより多段にした電圧可変20kV-100kVのTEMにスピン偏極電子銃を取り付けた。 (2)高感度CCDカメラ検出:透過電子回折図形や像は高感度、高時間分解能のCCDカメラで検出し、スピンの向きを変えた入射電子ごとの像や回折図形を画像処理してスピン依存散乱過程を抽出した。 (3)ロックイン検出:偏極電子銃の励起光にパルス変調を行い、その変調を検出系のCCDカメラにも同期させ、いわゆるロックインアンプ方式で検出像データのS/N比を10倍以上に増大させた。 (4)超弱磁場対物レンズの装着:磁性ドット試料に電子顕微鏡のレンズに必要な強磁場をかけないためにも、レンズギャップ付近の磁場をミリガウスオーダーにしたローレンツレンズを用いた。 (5)ナノスピン注入・改良・解析技術の新開発:スピン偏極電子銃から取り出した高スピン偏極電子をFe-Pt量子ドットやハーフメタルナノ積層構造にパルス注入することにより、磁場を用いないスピン注入磁化反転ダイナミクスをスピン偏極TEMで観察した。また、スピン偏極TEMを用いて各種ナノ構造磁性体のスピン構造解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 新TEMとの結合: 電気的安定性を10-6、また差動排気系の採用により真空度10-7Pa台を実現したTEMにスピン偏極電子銃を取り付けることに成功。 (2) 高感度CCDカメラ検出: 透過電子回折図形や像は高感度、高時間分解能のCCDカメラで検出し、スピンの向きを変えた入射電子ごとの像や回折図形を画像処理する事に成功。 (3) ロックイン検出: 偏極電子銃の励起光にパルス変調を行い、その変調を検出系にも同期させ、いわゆるロックインアンプ方式で検出像データのS/N比を増大させた。 (4) 超弱磁場対物レンズの装着: 磁性ドット試料に電子顕微鏡のレンズに必要な強磁場をかけないために、レンズギャップ付近の磁場をミリガウスオーダーにしたローレンツレンズを開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策 超弱磁場対物レンズの装着は平成25年度初旬に行い、磁性ドット試料に電子顕微鏡のレンズに必要な強磁場をかけずして測定を行う。また、これを用いてナノスピン注入・改質・解析技術の新開発を推し進める。この実現のために、高スピン偏極電子をFe-Pt量子ドットやハーフメタルナノ積層構造にパルス注入することにより、磁場を用いないスピン注入磁化反転ダイナミクスをスピン偏極TEMで開発する。また、スピン偏極TEMを用いて各種ナノ構造磁性体のスピン構造解析を行う。
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Research Products
(9 results)