2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較のための価値・信頼・政治参加・民主主義指標の日本データ取得とその解析研究
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21223001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 謙一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30151286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真裕 関西学院大学, 法学部, 教授 (40260468)
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Keywords | 社会指標 / 政治参加 / 社会参加 / 社会関係資本 / 信頼 / 社会的ネットワーク / 投票行動 / 国際比較 |
Research Abstract |
世界価値観調査2010を実施し、層化二段無作為抽出法に基づき全国の150地点から主に選挙人名簿により対象者を抽出、訪問面接+留め置き調査を実施した。有効回収数2443、回収率57.5%であった。結果はニュースリリースされた。また現在社会貢献のためにデータの公開作業をiPadを用いるソフトウェアの上で、進めている。 主要な知見は次の通り。政治への関心はかつてないほど高まっており、国民の安心な暮らしの実現における国の役割に対する期待が高い。その一方で、政治的効力感は低下し政治との乖離感は高く、政治参加も低下し、全体として国への依存度が上がっている。政府に対しては、財政規律を求めつつ、福祉など行政による再配分機能の充実をもあくまで求める厳しい要求を多くの人が掲げており、行政の充実を求める傾向は2000年からの10年間で増大している。他方、個人の立場からは、競争と平等の両立に対する強い矛盾した見解を持つ人々が多数存在している。「収入はもっと平等にすべきか」で「平等」側の回答が2005年より24%もアップし、過去最大。格差社会を強く意識する一方で、競争の望ましさも強調し、競争しつつも共生していくことを望んでいる。そして、社会への参加を強調する脱物質主義的価値観は後退、明確に物質主義的・経済目標を強調するように変化が進んでおり、長引く不況も後押しして心の豊かさ志向がやや後退し、物質志向への揺り戻しが見られる。 この他、当該年度中は国際会議2件に出席・発表し、アジアバロメータ調査の打ち合わせと、ソーシャル・ネットワーク調査のための国際比較検討を行った。
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Research Products
(2 results)