2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較のための価値・信頼・政治参加・民主主義指標の日本データ取得とその解析研究
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21223001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 謙一 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30151286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真裕 関西学院大学, 法学部, 教授 (40260468)
谷口 尚子 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (50307203)
安野 智子 中央大学, 文学部, 教授 (60314895)
繁桝 江里 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (80410380)
稲増 一憲 武蔵大学, 社会学部, 助教 (10582041)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | 社会参加 / 政治参加 / ソーシャル・ネットワーク / 価値観 / 社会関係資本 / 信頼 / アジア / 日本 |
Research Abstract |
平成22年度「世界価値観調査2010」を皮切りとし、パネル調査として平成23年度「アジアンバロメータ 第3次 日本調査)」、平成24年度「ソーシャル・ネットワーク調査」を重ねて実施してきた。24年度の訪問面接調査は全国20~80代一般男女個人であり、対象者は上記22、23年度調査において調査協力の承諾を得たパネルサンプルであった。標本数は1,526(内訳/2010年からの継続パネル511、2011年からの継続パネル907、2010年協力意向者で2011年は非回収の者108)であり、有効回収数1,127、回収率73.9%であった。 取得したデータは、ソーシャル・ネットワークに関する設問を含めた社会関係資本関連質問として、一般的信頼・互酬性などの信念、日常的コミュニケーションの中での重要他者・政治会話他者・仕事関連の会話他者等のネットワーク、社会関係のタテの多様性を測定するポジションジェネレータ指標、ヨコのネットワーク開放性指標、パースペクティブテイキング指標、社会的寛容性の尺度、安心関係の指標等であった。 また、平成24年12月には、本パネルが25年参院選時にCSES4国際比較データを取得する予定であることに鑑み、2009年3月より累積している選挙のインターネット・パネル調査を活用し、CSES4の実査準備となるプレ調査データを取得した。つまり、2009年3月の調査時点を衆議院議員選挙の選挙前調査、同年8月末衆議院議員選挙が実施された直後の選挙後調査、2010年鳩山政権末期の政治意識調査を受けて、同一対象者に対して4度目の政治意識調査を衆院選時に実施することにより、政権交代が実現する前後のおよそ4年間にわたる有権者の政治意識の推移を検討できるデータを取得するとともに、CSES4実査のためのスケールの検討データ、政治意識の変化のサブデータを取得した。回収サンプルは987sであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4つの年度に渡り、4度の全国調査をパネル調査の形で実施するという主たる目的は順調に達成への道を歩んでおり、既に平成24年度までの計画は無事に完了している。また、主たるパネル調査の予備調査の形でインターネット・パネルデータの取得を時期を見ながら取得しており、こちらは今回基盤(S)調査と重なる時期の政治意識の変動を検討する基礎データとなると同時に、メインの調査のための予備調査(適切な設問やスケールの作成のためのデータ取得)ともなっており、こちらも適切に実施され、メインの調査項目案の検討にも役だっている。 達成目標の中で、まだ達成度が不十分なものは、各年度のパネルデータの相互間の比較分析である。これを行うことで国際比較調査の中で、日本データの分析が次の国際比較のための調査票の形成に貢献する具体的な分析を行うことができ、また日本データでしか可能でない、比較調査データを串刺しする分析ができる。データの当面の取得に時間を費やすあまりに、この点での進行が遅れていることを認識しているが、それは最終年度でカバーしていける範囲であり、達成度はおおむね順調と自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度の当初の目標通り、平成25年度夏の参院選後のCSES4調査データ、つまり選挙制度の効果の国際比較調査データの取得の準備を進めている。データを取得後は、国際比較データとして整備し、CSES国際本部に日本に関する制度面でのマクロデータと共に送付する準備を進め、国際貢献を果たしつつ、個別の選挙調査としての分析も進めていく。 高い中間評価をすでにいただいているので、最終年度はさらにその評価を高められるデータ取得と分析に励みたい。とくに、上記達成度の項に記したように、各年度間のパネルデータの相互間比較を進めていきたい。
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Research Products
(9 results)