2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21224007
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
増田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60150009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 淳讚 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00262105)
渡辺 裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50353363)
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
松多 健策 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50181722)
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Keywords | EDM / UCN |
Research Abstract |
EDM測定では、UCNを磁化された純鉄フォイルの磁気ポテンシャルを用いて偏極し、得られたUCN偏極をπ/2 RFパルスで静磁場に平行な方向から垂直方向にフリップさせ、その後、静磁場と電場中で才差運動させる。才差運動によって生じた角度を、再びπ/2 RFパルスでUCN偏極を静磁場に垂直な方向から平行方向にフリップさせて、磁場に対する射影角に変換し、偏極解析で測定する。EDM測定では静磁場方向に電場がかけられ、電場逆転に伴う、才差角の変化からEDMを求める。このため、才差角の測定感度が重要である。才差運動の影響は、通常の共鳴曲線を包絡線とする振動項、Ramsey fringeとして現れる。共鳴の感度は、visibilityと呼ばれる振動項の振幅で表せ、EDM容器内でUCNの偏極率に比例し、偏極緩和時間に逆比例する。今回、90%の偏極率、1000sの緩和時間を得て、世界最高水準のvisibilityを実現し、目標を実現した。測定感度は振動項の幅に逆比例する。幅を狭めるには、才差運動の時間を長くする必要がある。才差運動の時間は、EDM容器内でのUCN貯蔵寿命で決まっている。現容器内では120sであった。これまでのEDM測定の系統誤差は、電場から誘起される相対論による横磁場と磁場勾配に起因する横磁場による幾何学的位相効果(GPE)によって決まっていた。GPEを小さくするため、バッファガス効果、そして、バッファガス核スピンとUCNの才差運動の同時測定による磁場勾配削減法を研究した。新UCN源のための冷中性子モデレーターの冷却装置を完成した。He-II冷凍器を設計したが、製作は震災の影響で遅れた。
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Research Products
(8 results)