2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21224007
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
増田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60150009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 淳讚 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00262105)
渡辺 裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50353363)
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
松多 健策 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50181722)
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Keywords | EDM / UCN |
Research Abstract |
新UCN源は、中性子を発生するスパレーション標的、発生した中性子のエネルギーを冷中性子領域まで下げる冷中性子モデレーター、冷中性子をUCNに変換するHe-II容器、そしてHe-IIを0.5K領域まで冷却するHe-II冷凍器からなる。2013年度は、前年度までに製作した冷中性子モデレーターの冷却装置は、重水を固化し、所定の温度まで冷却できることを確認した。He-II冷凍器については、温度センサーとヒーターを各部に設置し、パルスチューブ冷凍器を使用して、若干の改良の余地があるが、所定の温度付近まで冷却できることを確認した。その時、同時に低温リーク試験を行った。その後、液体ヘリウムを使用し、needle valveの制御試験を行った。また、平行して、冷凍器内のUCN valveの動作試験を行った。UCNを偏極するため、超伝導コイル型UCN偏極装置を使用するが、偏極後の偏極保持が重要で、超伝導コイル内に設置するUCN guideの材料試験が必要と判明した。新UCN源でのUCN生成を行う予定であったが、改良個所があると判明し、また、加速器建家の耐震工事が行われることになったので、新UCN源でのUCN生成は、次年度に延期し、現He-IIスパレーションUCN源で、種々のUCN容器内でのUCN偏極緩和時間を測定した。この時、UCN源内でUCN貯蔵寿命81 s(新UCN源での目標150s)を実現し、UCN密度の世界記録を更新したので、Phys.Rev.Lett.に出版した。幾何学的系統誤差を小さくする^<129>Xeのバッファガス効果を計算した。Xeガスの耐高電圧試験を行い、放電が起こらない圧力範囲で、十分なバッファガス効果が得られることを確認したので、Phys.Lett.に出版した。その他、超伝導コイル型UCN偏極装置及びEDM電極を製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新UCN源とこれによるUCN生成は、震災と加速・器建屋耐震工事の影響で予定より少し遅れているが、現UCN源による運転でEDM測定用のラムゼー共鳴測定法の開発を進め、計画の遅れを補償した。新UCN源は、超流動ヘリウム冷凍器の冷却試験を除き、ほぼ完成している。耐震工事の間に冷却試験を行い、2013年初めの加速器の再稼働に合わせて、新UCN源によるUCN生成とEDM測定を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新UCN源の完成までに、EDM実験容器に高電圧をかけ、高電圧リークの試験を行い、EDM測定ができるように準備する。EDM測定では、磁場の安定性が重要であるので、市販のフラックスゲート磁束計やポタシウム磁束計による磁場モニターを完成させる。その後、10-26ecmを切るEDM測定を行う。
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Research Products
(9 results)