2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型耐熱材料としての複相金属間化合物の用途展開のための基盤学問体系構築
Project/Area Number |
21226016
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高杉 隆幸 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (20108567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金野 泰幸 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (50214482)
津田 大 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (80217322)
小林 覚 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (60455847)
西村 六郎 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90110634)
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Keywords | 金属間化合物 / 超合金 / 組織安定性 / 熱安定性 / 複相組織 / Ni_3Al / Ni_3V / 耐熱材料 |
Research Abstract |
本年度は、主としてNi_3Al-Ni_3V擬2元合金(すなわちNi基超・超合金)の研究開発を合金設計と組織制御に基づき行うと共に、用途開発についても企業と共に行い、以下のような成果を得た。 1. 本合金の耐熱特性を発現する2重複相組織について透過型電子顕微鏡観察を駆使することにより、詳細な組織学的特徴を解析し、上部あるいは下部複相間に存在する界面構造は整合界面であること等が把握された。 2. 2重複相組織の強度を支配する組織因子の抽出をはかり、初析Ll2相の体積率が重要な因子であること、加えて、初析Ll_2相とチャンネル部の界面による効果(すなわち界面強化)が存在することを把握して、それらの強化機構と合金の役割について検討を加えた。 3. 耐熱温度を高める方法論を確立するために、Ni_3Al(Ll_2), Ni_3V(DO_22)およびAl相の相安定性に及ぼす数種の合金元素(Ti, Nb, Cr, Co)の役割について状態図的研究を行い、TiおよびNbなどが2重複相組織の安定温度域を高めることにより耐熱温度向上の可能性が示唆された。 4. Ni基超・超合金の高温強度や硬度あるいは耐摩耗特性を改善する元素として、新たに、Ta, Reなどが有望であることが見出されそのメカニズム解明の努力を行った。 5. Ni_3Si-Ni_3Nb-Ni_3Ti合金系では、塑性加工と高温強度、耐酸化のバランスに富む実用性の高い合金成分と組織を抽出することができた。Ni_3Si基複相金属間化合物創製の道を切り拓いた。 6. 企業あるいは産官学との連携により、2重複相金属間化合物合金の高融点・硬質金属用摩擦攪拌接合ツールや耐熱・耐食ボールベアリング部材への適用を、部材に応じた改良成分と組織の適切化あるいは製浩プロヤスの開発により行い研究室プロトタイプの製造にまで至った。
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Research Products
(44 results)