2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコン源を用いた先進的無電極プラズマロケットエンジンの研究開発
Project/Area Number |
21226019
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
篠原 俊二郎 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10134446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 隆夫 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (70207174)
羽田 亨 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (30218490)
船木 一幸 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (50311171)
西田 浩之 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60545945)
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Keywords | 航空宇宙工学 / プラズマ・核融合 / ロケット / 熱流体工学 / モデル化 / 無電極 / ヘリコン |
Research Abstract |
本研究の目的はオール無電極でプラズマ生成・加速する、高効率・長寿命の高密度ヘリコンプラズマロケットエンジンの開発とその工学的体系化であり、3年度として以下の成果を得た。その際、TV会議も含め多くの会合で現状の成果と方針の徹底的議論を行い、今後の展開に対して指針を得た。 1.加速理論では、提唱している回転磁場(RMF)、回転電場(REF)、波動利用(WA)、ダブレアー(DL)、ポンデロモーティブ加速/イオンサイクロトロン加速(PM/ICR)に加え、ヘリコン単独の熱加速とm=0加速についても考案した。 2.RMF加速では磁場浸透時間と構造についてシミュレーションコードVORPALでの初期解析を行った。RMF、REFとPM/ICRについて理論推力評価と各モデル比較を更に進めた。 3.REF加速では電場の浸透のモデリングを進め、推力のパラメータ依存性の最適化条件を求めて5.に記述する実験結果と比較した。 4.PM/ICRでは粒子軌道計算を進め、加速でのPMとICRの占める割合を検討した。 5.RMF加速実験では、理論的に回転磁場が浸透する条件以外でも、実験的に浸透する事がわかった。プラズマパラメータの空間分布測定を種々の開発した方法(シングルプローブ、マッハプローブ、イオンエネルギーアナライザー、分光器、高速度カメラなど)で行った。 6.REF実験では、直径5cmのプラズマ生成と4組の電極での加速実験を始め、ガス圧力に留意しながらパラメータ依存性を調べ3.の理論的条件と比較した。また開発した定常用スラストスタンドの初期調整を行った。 7.別に更に開発したスラストスタンドでヘリコン単独での推力を精度よく求め、単独でも高比推力である事を示した。 8.PM/ICR用にはターゲットとなるヘリコン高密度放電の特性解析を行い、加速実験の準備も行った。DLやWAの実験についても現在進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は高密度ヘリコンプラズマ源開発とその加速研究に分けられる。プラズマ源研究は最終年度の目標以上に進み、・プラズマ加速研究も予想以上に多くのスキームを提言でき、現在原理実証とパラメータ依存性を研究中で着実に進んでいる。以上より、おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ソースとなるヘリコン高密度プラズマの生成は、高効率で様々なスケールで展開可能なことを示したが、更に本ミッションに応じた研究を進める。 プラズマ加速法に関しては種々の新アイデアが提案され、その実証を試みている。加速法の進展を考える際の課題を考慮しながら、それに対処し、更に加速スキーム間の得失の比較を行う。 その後、種々のパラメータサーベイ(ガス種も変化)を行い、設計相似則、長時間運転などの研究に進める予定である。
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Research Products
(59 results)