2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコン源を用いた先進的無電極プラズマロケットエンジンの研究開発
Project/Area Number |
21226019
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
篠原 俊二郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10134446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 隆夫 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (70207174)
羽田 亨 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (30218490)
船木 一幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (50311171)
西田 浩之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60545945)
|
Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
|
Keywords | 航空宇宙工学 / プラズマ・核融合 / ロケット / 熱流体工学 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究の目的はオール無電極でプラズマ生成・加速する、高効率・長寿命の高密度ヘリコンプラズマロケットエンジン開発と工学的体系化であり、以下の成果を得た。 1) 加速理論では、提唱している様々な方法の検討を更に行った:回転磁場(RMF)、回転電場(REF)、ポンデロモーティブ加速/イオンサイクロトロン加速(PA/ICR) 、ヘリコン単独熱加速、 m = 0加速。全粒子計算コードVORPALを用いて衝突・電離過程を含むヘリコン波伝播解析、及び3流体計算コード開発も行った。2) RMF加速では磁場浸透時間と構造についてVORPALコードで2次元解析を行った。 3) REF加速では回転電界の空間一様性が重要である事を示し加速アンテナの最適配置の知見を得た。4) PA/ICRでは、ガス種による推進性能比較、PA効果と壁損失の関係について解析した。m = 0加速では粒子と流体解析を進めた。 5) プラズマ生成単独で最大比推力800秒が達成できた。開発した世界最小口径(1~2cm)での高密度ヘリコンプラズマ生成も成功した。 6) ねじり振子型スラストスタンド開発では、1 mNの推力測定が可能となった。7) RMF 加速実験では回転磁場浸透を確認し、加速アンテナの電流位相依存性を調べた。種々の手法によるプラズマパラメータの空間分布測定法を発展させた。重要である径方向磁場増強のために設計した永久磁石を用いて実験を始めた。8) REF 実験では、直径2.5~10 cm のプラズマ実験室モデルを製作し、推力・比推力・推進効率を評価した。本モデルで直接推力を世界初で評価し、加速時の推力増強も初めて検出した。理論的予測とも一致している。9) PA/ICR 用に平板アンテナを設置し、印加周波数がイオンサイクロトロン周波数に近い場合、イオン温度の上昇が見られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は高密度ヘリコンプラズマ源開発とその加速研究に分けられる。プラズマ源研究は最終年度の目標以上に進んでいる。プラズマ加速研究も予想以上に多くのスキームを提言でき、現在原理実証とパラメータ依存性の研究を、実験と理論・シミュレーション双方で比較検討しながら行っており、直接推力計測実験と性能評価実験に成功するなど着実に進んでいる。 以上より、おおむね順調、部分的には計画以上に進んでいると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
ソースとなるヘリコン高密度プラズマの生成は、高効率で様々なスケールで展開可能なことを示したが、更に本ミッションに応じた研究を進める。単独の熱加速研究も行う。 プラズマ加速法に関しては種々の新アイデアが提案され、その実証を試みている。発展させた理論・シミュレーション解析結果と比較し、比推力・推進効率の改善(大口径化や強磁場化など)に努め、更に加速スキーム間の得失の比較を行う。 その後、種々のパラメータサーベイ (ガス種も変化)など、加速法の課題を考慮して行う。
|
Research Products
(79 results)