2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21227002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 典弘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60132982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 正樹 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 講師 (90361766)
二階堂 雅人 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (70432010)
西原 秀典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (10450727)
寺井 洋平 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, グローバルCOE教員 (30432016)
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Keywords | 大進化 / 種分化 / 生物多様性 / 新規形質獲得 |
Research Abstract |
1)種分化研究:これまでヴィクトリア湖の様々な透明度、深さで測定を行った水中の環境光スペクトルの解析を行った。その結果、透明度により光の減衰率が透明度ごとに、またそれぞれの波長ごとに異なり、異なった透明度異なった深さで、そこにだけ存在する環境光を作り出し、水中の多様な光環境を生み出している明らかになった。次にそれぞれの深さと透明度の環境光に生息する種が、視覚をその環境光に適応させているか解析を行った。その結果、それぞれの種がもつLWS視物質はその種が生息する光環境で最も効率よく光を吸収することができ、それぞれの種が限られた光の成分が存在する環境で効率よく光を吸収できるように視覚を適応させてきたことが明らかになった。最後にそれぞれの種のオスが呈する婚姻色が生息する環境光で目立つか、つまり環境光を効率よく反射し、かつ適応した視覚に効率よく吸収される光を反射しているかを解析した。その結果、それぞれの種の婚姻色はその種の視覚に吸収される環境光と最も重なりが大きく、同種に最も目立つことが明らかになった。これらの結果から、視覚の適応が引き起こす種分化がヴィクトリア湖のシクリッドで共通に起こってきた種分化の機構であることが明らかになった。 2)大進化研究:大進化に関しては、主に3つのSINE遺伝子座に関して研究を進めた。まずASO71遺伝子座についてはノックアウトマウスの作成が完了し、遺伝子発現に差異が見られることを明らかにした。ASO21遺伝子座に関しては、脳梁に軸索を伸長させる神経細胞でSatb2遺伝子のエンハンサーとして機能することを発見し、現在論文を執筆中である。またASO21遺伝子座のノックアウトマウスの作成も開始しており、来年度にはそれを用いた研究を集中的ににおこなう予定である。さらにAS3_9遺伝子座のノックアウトマウスの系統も確立しており、詳細な解析を開始する準備が整った。
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[Journal Article] Genetic Variation and Demographic History of the Laparogramma Cichlid Species Group of Lake Victoria-An Analysis Based on SINEs and Mitochondrial DNA2010
Author(s)
Mzighani SI, Nikaido M, Takeda M, Seehausen O, Budeba YL, Ngatunga BP, Katunzi EFB, Aibara M, Mizoiri S, Sato T, Tachida H, Okada N
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Journal Title
Gene
Volume: 450
Pages: 39-47
DOI
Peer Reviewed
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