2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21227002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 典弘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60132982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 正樹 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 講師 (90361766)
二階堂 雅人 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (70432010)
西原 秀典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (10450727)
寺井 洋平 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特任助教 (30432016)
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Keywords | 大進化 / 種分化 / 生物多様性 / 新規形質獲得 |
Research Abstract |
1)種分化研究:平成22年度までに視覚の適応が引き起こす種分化機構の共通性について示したが、分子レベルではこの機構の半分しか示されていなかった。そこで視覚が受容する婚姻色が性選択により分化することを分子レベルで示すことを目的として研究を進めた。そのために始めにシクリッドの婚姻色形成遺伝子群を単離することを試みた。オスとメスの表皮からRNAを抽出し、次世代シークエンサーにより配列の決定を行った。決定した配列を元にcDNA配列のdenovo再構築を行いトランスクリプトームを作成した。このトランスクリプトームとゲノム配列、mRNAの配列を元にオスで多く発現する遺伝子を400程度単離した。これら遺伝子には色素細胞の誘導と分化に関わると報告されている遺伝子や、色素合成に関わる遺伝子が含まれており、それら婚姻色形成遺伝子群の染色体上の位置も明らかにした。これらの遺伝子群から種特異的な婚姻色を形成する遺伝子を絞り込み、またその遺伝子に働いてきた性選択を検出することにより、性選択が婚姻色を分化させ種分化を引き起こしてきたことを明らかにする予定である。 2)大進化研究:平成23年度はSINE由来エンハンサーをノックアウトしたマウスの解析およびエンハンサー結合因子の解析を行った。ASO21、AS3_9遺伝子座のノックアウトマウスについては表現型および遺伝子発現に関して現在詳細な解析をおこなっている。ASO71のSINE領域のノックアウトマウスにおいてはFgf8の発現量の低下、およびその下流遺伝子の発現量の変化が見られており、SINEが発生遺伝子の発現パターンの決定に必須であることを初めて証明した研究と言える。さらに予想外の発見としては、転写因子の結合モチーフ解析およびin vitro結合実験により、ASO21に結合する転写因子が複数のSINE由来エンハンサーに結合する可能性が浮上したことが挙げられる。すなわち、哺乳類進化に関与した複数の遺伝子発現がSIMEを介した同一の制御メカニズムによって決定されている可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
種分化研究において申請時に提案した、種分化機構の普遍性を示す研究は研究計画の予定通りに遂行してきたが、1つ1つの成果はどれも予想以上であり、最終的に示した種分化機構の普遍性は予定以上のものとなった。また、婚姻色が性選択によって分化することを明らかにする研究では、次世代シークエンサーを用いたmRNAの発現比較により、婚姻色形成遺伝子群の単離とそれらの染色体上の位置の伺定に成功し、この研究の発展により今後の予定以上の成果が見込まれる。 大進化研究ではこれまで5箇所のSINE由来エンハンサー領域を、研究計画に従って予定通り詳細に解析してきている。特にこれらエンハンサーの1つのSINE領域が発生遺伝子の発現パターンの決定に必須であることを証明した成果は予定以上と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
種分化研究ではこれまでに次世代シークエンサーによるRNA発現解析により単離した婚姻色形成遺伝子群を中で、婚姻色の異なる種間で発現の異なる遺伝子を明らかにし、それらの遺伝子が性選択を受け、種間で分化し種分化を引きこしてきたことを明らかにする予定である。 大進化研究ではこれまでに発見したSINE由来エンハンサーに結合する転写因子の解析を進め、遺伝子発現カスケードの解明を進める。また哺乳類の形態形成への関与を明らかにするためにエンハンサーのノックアウトマウスの解析を進める。さらに前述のように、同一の転写因子が他のSINE由来領域にも結合する可能性が見出されたことは予想以上に進展した点であり、今後はこうした観点からも研究を推進する予定である。
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[Journal Article] Genetically distinct coelacanth population off the northern Tanzanian coast2011
Author(s)
Nikaido M, Sasaki T, Emerson JJ, Aibara M, Mzighani SI, Budeba YL, Ngatunga BP, Iwata M, Abe Y, Li WH, Okada N
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA
Volume: 108
Pages: 18009-13
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A Mammalian Conserved Element Derived from SINE Displays Enhancer Properties Recapitulating Satb2 Expression in Eariy-Born Callosal Projection Neurons2011
Author(s)
Tashiro K,Teissier A, Kobayashi N, Nakanishi A, Sasaki T, Yan K, Tarabykin V, Vigier L, Sumiyama K, Hirakawa M, Nishihara H, Pierani A, Okada N
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Journal Title
PLoS One
Volume: 6
Pages: e28497
Peer Reviewed
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