2012 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系細胞間ネットワークにおけるシグナル機構の可視化解析
Project/Area Number |
21229004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 正光 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50133939)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 脳・神経 / 薬理学 / 生理学 |
Research Abstract |
本研究では、Ca2+シグナルの未知機能解明とシグナル分子可視化解析を介して中枢神経ネットワーク機能研究を格段に進めることを目的としている。本年度の研究実績は以下の通り。1-1)Ca2+シグナルの新機能探索 脳に対する様々な傷害に対して、アストロサイトでは細胞内Ca2+シグナルが形成され、これがアストロサイトのN-カドヘリンの発現を調節して、活性化アストログリオーシスを惹起し神経細胞の保護に関与することを、遺伝子改変マウスを用いて明らかにした。さらに、N-カドヘリンの翻訳を調節する新たな機構も明らかにした。論文投稿中であり、現在改訂作業を進めている。1-2)シュワン細胞によるミエリン形成制御機構 末梢神経の髄鞘形成に、ミエリン細胞内Ca2+シグナルが関与することを明らかにした。今年度さらに、この機構にミトコンドリアの関与を示す結果が得られており、ミエリン形成機構を明らかにする重要な発見であると考えられ、現在論文発表の準備を進めている。2)グルタミン酸動態解析 グルタミン酸可視化測定をマウス生体脳内測定へと拡張し、脳の自発活動との関連を解析し、学会発表を行った。3)NOシグナル・Ca2+シグナル連関機構 リアノジン受容体がNOにより活性化されるNOによるCa2+放出機構(NICR)を発見した。NICR機構にリアノジン受容体のS-ニトロシル化が関与することを明らかにした。NICR機構は、小脳のシナプス可塑性に関与するとともに、虚血性脳障害に関与することを示す結果を得て、昨年度論文発表を行った。今年度は、この成果を個体レベルでの解析につなげるべく、リアノジン受容体のS-ニトロシル化部位を変異させたノックインマウスの作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初期の研究目標のうち、グルタミン酸動態解析とNOシグナル・Ca2+シグナル連関機構に関しては既に論文発表を完了した。残りの研究課題についても、アストロサイトのCa2+シグナルにより制御される活性化アストログリオーシスについては、論文投稿を行っており現在改訂作業中である、また、シュワン細胞によるミエリン形成制御機構についても、投稿直前の状態に達している。以上の通り、研究計画は極めて順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中および投稿準備中の論文発表を鋭意進めたい。また、グルタミン酸動態解析については、既に論文発表を行っているが、さらに生体内測定という大きな課題に挑戦したい。 現在、基盤研究(S)の前年度申請を行っており、これが採択されれば、さらにCa2+シグナルが関連する脳の病態生理機構について世界をリードする研究を進めていきたい。
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[Journal Article] β-catenin regulates PTH/PTHrP receptor signals and chondrocyte hypertrophy through binding to its intracellular C-terminal region.2013
Author(s)
Yano, F., Saito, T., Ogata, N., Yamazawa, T., Iino, M., Chung, U.I. and Kawaguchi, H.
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Journal Title
Arthritis Rheum
Volume: 65
Pages: 429-435
DOI
Peer Reviewed
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