2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21229007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒崎 知博 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授 (50178125)
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Keywords | 液性免疫 / 免疫記憶 / 存在部位 / NP-CGG / 細胞増殖 / メモリー亜集団 |
Research Abstract |
一次免疫が終焉した後、どのようなタイプのメモリーB細胞が生成されてくるのか、又、メモリーB細胞が亜集団に分類されるのか、されるとしたら、それぞれの亜集団は、どのような機能的相違があるのかは、液性免疫記憶機構を考える上で必須の課題である。 申請者らは、NP-CGGをマウスにinjectionし、ハプテンであるNP抗原に対するメモリーB細胞を解析した。先ず、この抗原injection系では、抗原刺激はうけたもののクラススイッチしていないIgMタイプのメモリーB細胞と、クラススイッチしたIgG1タイプのメモリーB細胞が主として作られる。IgG1タイプのメモリーB細胞はIgG1^+CD38^+というマーカーを指標に,又IgMタイプはCD273^+というマーカーを用いて単離し、機能検定を行なった。 本年度、大きく3つの実験結果をえた。1)IgMメモリーB細胞は体突然変異を受けている各群(胚中心過程を経ている)と、受けていない分画の2種類が存在し、2次免疫反応の時には、主として、前者の分画が反応する。2)IgG1メモリーB細胞はナイーブB細胞に比べて、2次反応時に増殖反応が優位に高いと考えられていたが、そうではなく、むしろプラズマ細胞への分化反応が亢進している。3)2)の分子基盤としては、IgG1メモリーB細胞は転写因子Bach2がナイーブB細胞に比べて、その発現が低下しており、結果プラズマ細胞へのマスター転写因子Blimp1の迅速な上昇を引き起こすことができる。 このように、1次反応と同様の抗原により、2次免疫反応が生じるとき、どの細胞が主として反応するのか。また、その性質はナイーブB細胞とどのように異なっているのかを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画以上に進展しているパート(IgG1メモリーB細胞のユニークな機能を、担っている分子基盤等は、計画以上に進展している)と、やや遅れているパート(メモリーB細胞の分化過程を検定するために、作成中であるFate-mappingマウスの作成は、予想外のことが起こり、やや遅れている)が混在している。次項に述べる対策も既に講じており、全体的には、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
できるだけ早く遅れているパートの挽回を図る。事実、単純なfate-mapping方法は諦め、用いる遺伝子プロモーターをB lineageだけで発現するというようにdouble-regulationを講じ、その方法がうまくいくかどうかテスト中である。 計画以上に進展しているパートは国際的にも高く評価されており、一層の充実を図っていく。
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[Journal Article] Memory B cells in the lung participate in protective humoral immune responses to pulmonary influenza virus reinfection2012
Author(s)
Onodera, T., Takahashi, Y., Yokoi, Y., Ato, M., Kodama, Y., Hachimura, S., Kurosaki, T., and Kobayashi, K
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.
Volume: 109
Pages: 2485-90
DOI
Peer Reviewed
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