2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21229013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 健 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70362514)
八十田 明宏 京都大学, 医学研究科, 講師 (50378642)
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Keywords | 間葉系 / 内分泌 / ナトリウム利尿ペプチド / レプシン / CNP / 軟骨 / 脂肪組織 / 脂肪委縮症 |
Research Abstract |
ナトリウム利尿ペプチド(NP)ファミリー系(ANP、BNPおよびそれらの受容体GC-A、CNPおよびその受容体GC-B)の生理作用と臨床的意義を詳細に明らかにすべく、組織特異的GC-A、GC-B、CNPノックアウト(KO)マウス、薬剤誘導性ANP過剰発現(Tg)マウスなど新規動物モデルの作製に成功し、現在その解析を進めている。またこれら動物モデルと既存のGC-A KO、CNP KO、BNP KO、BNP Tg、CNP Tgマウスなどの動物モデルを駆使し、NP系の生理作用と臨床的意義の解明研究を行った。具体的には、CNP/GC-B系の内軟骨性骨化による骨伸長における意義、代謝制御における脳一脂肪連関における意義、血管トーヌス制御における内皮一平滑筋連関、心筋リモデリングにおける心線維芽細胞一心筋連関における意義を、CNP Tg、CNP KOマウスや新規に開発した複数の組織特異的CNPKO、組織特異的GC-BKOマウスを用いて解析し、将来のCNPの臨床応用を見据えた基礎的検討を行っている。またANP・BNP/GC-A系に関しては、組織特異的GC-AKO、薬剤誘導性ANPTgマウスの作製と解析を通して、ANP、BNPの心血管保護作用、抗肥満作用、腎保護作用などの組織保護作用の研究を行っている。 レプチンの臨床研究は、脂肪萎縮症に対するレプチンの薬事承認を目指した医師主導治験の登録を終了し、高度医療としてのレプチン治療の長期安全性臨床試験をすでに開始するなど順調に進んでいる。レプチンのインスリン感受性改善作用メカニズムの一つとして、中枢神経および交感神経系α作用を介した肝AMPK活性化を見出した。レプチンの脳高次機能への作用に関して、レプチンの抗うつ作用に加え、食事性肥満マウスの、海馬におけるレプチン抵抗性、認知機能障害を示し、そこにBDNF系が関与していることを明らかにした。さらに脂肪萎縮症の成因解明と細胞治療を発展させるため、ヒトiPS細胞からの脂肪細胞分化誘導を世界で初めて報告し、マウスへ細胞移植し生着しうることを確認した。代謝疾患患者からiPS細胞の樹立に成功し、病態解析や細胞治療へ向けた基盤研究が進行中である。 脂肪組織・脂肪細胞からの組織抽出画分作成法の確立に成功した。脂肪組織・脂肪細胞からの画分を用いて新規生理活性物質の探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間葉系由来ホルモンであるナトリウム利尿ペプチド、特にCNP、およびレプチンについてconditional KOマウスなどの遺伝子改変マウスの作製・解析、過剰発現トランスジェニックマウスの作製・解析が順調に進行し、CNPおよびレプチンの臨床的意義の解明が進んでいるので。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子改変マウスを用いた検討の問題点として、最近、代謝面などいくつかの点で、マウスがヒトとは異なることが報告されている。より代謝面でヒトに近く、また心血管系の解析実験、薬理作用解析実験、細胞移植実験などがマウスより容易なラットを用いて、ANP・BNP/GC-A系およびレプチン系の意義の研究を進めるべく、これら遺伝子の変異ラットの作製を行っている。
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Research Products
(10 results)