2010 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習によって品質を改善し続ける知的サービスシステムの構成
Project/Area Number |
21240012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 民夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40111463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 辰徳 東京大学, 人工物工学研究センター, 講師 (00546012)
下村 芳樹 首都大学東京, 大学院・システムデザイン研究科, 教授 (80334332)
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Keywords | 知能ロボティクス / 機械学習 / エージェント / 設計工学 / サービス / サービスシステム / サービス工学 / 顧客満足度評価 |
Research Abstract |
第二年度は、研究実施計画に記載した(1)サービス事例のモジュール分割(動作分割)と(3)顧客満足度の評価にしたがい、サービスにおける幾つかの基本動作を事例に、受給者の内部状態の計測および受容者の総合的な満足度評価に関する研究を行った。 まず、サービスロボットに求められる日用品の手渡し動作について取り上げ、その対象物の受け渡し姿勢に着目した。人間同士の手渡し動作の観察実験に基づき,対象物の受け渡し姿勢および渡し手の把持位置・姿勢を決定するための評価関数を提案し,人間同士の手渡し動作の評価と比較することで検証を行った。その結果、提案する評価関数を用いて計算した評価値は、人間同士の評価結果と相関が高く、提案手法は妥当との結論に至った。 次に、接客サービスにおいて見られるお辞儀動作を対象に、お辞儀に対する評価は「動作因子とそれが行われる状況との適合度の組み合わせ」により決定されると捉え,その評価モデルを提案した。その上で、お辞儀動作の動作因子と評価との関係を実験により検証し、因子分析を行うことにより、各状況に適合したお辞儀動作がどのようなものであるかを定量的に明らかにした。 さらに、映像による情報伝達サービスを対象に、画像処理技術を用いて受給者の顔表情と頭部動作を計測した。さらに、同時に収集したアンケートの回答データと教師あり学習を併用して、顔表情と頭部動作から受給者の内部状態と満足/不満状態を推定する手法を提案した。結果として、評価の要となる顔表情を映像コンテンツごとに明らかにした一方で、映像コンテンツごとに表出する顔表情と頭部動作の個人差は想定以上に大きく、全受容者を対象とした内部状態の推定モデルの精度は低いものに留まる結果となった。 以上の研究を通じて、個人差が大きいと予想される受給者の満足度評価をモデル化する上では、お辞儀動作の状況の明示化に代表されるように、サービスに対する受給者の期待とその形成プロセスをより具体的にモデル化する必要があるとの知見を得た。そこで、第二年度の途中より受給者の期待形成を組み込んだ満足度評価モデルの構築に取り組んでおり、本研究を第三年度に継続して実施する予定である。
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Research Products
(7 results)