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2012 Fiscal Year Annual Research Report

情動的環境要因の受容がもたらす感性脳機能的作用とそのメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 21240020
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

久野 節二  筑波大学, 医学医療系, 教授 (70136216)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山中 敏正  筑波大学, 芸術系, 教授 (00261793)
川野 道宏  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00404905)
首藤 文洋  筑波大学, 医学医療系, 講師 (10326837)
尾崎 繁  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60292546)
岩本 義輝  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50184908)
Project Period (FY) 2009-04-01 – 2014-03-31
Keywords安らぎ / 感覚刺激受容 / 環境 / ストレス / 脳活動
Research Abstract

<ヒト対象実験>
リハビリテーションによる下肢の運動機能回復訓練シミュレーションタスクに必要な装置及び実験タスクパラダイムを作成し、健常者4名を対象にその実働性をfMRI計測実行に先立って検証した。被験者に左右の足首の運動でカーソルを2次元操作してコンピュータ画面上のターゲットを追従する運動課題を行ってもらい、ソフト及び周辺機材の稼働性を確認した。次に、fMRI装置内の被験者視野にタスク画面を投影させるためのタスク画面提示装置と足関節の屈伸角度にあそびをもたせて自然でゆとりのある姿勢でカーソル移動が可能な装置(フットペダル)の2つを完成させた。さらに、これらの装置を組み合わせた実験システムが高磁場環境で実働することを確認した。また、被験者に装置使用状況を聞き取り調査して、実験システムの最適化を行った。さらに、現有MRI装置で計測中の被験者に聴覚刺激として音楽や声かけが行えるような機材について検討した。
<モデル動物実験>
ラット対象の実験では、ストレス応答反応に対する低温刺激提示実験パラダイムを確定し、これに嗅覚刺激提示を組み合わせるためのクロスモーダル実験の準備を行った。マーモセット対象の実験では、ストレス応答の生理的指標として尿検体中ストレスホルモン(コルチゾール)濃度測定のパイロット実験を行い、飼育環境変化に応じたストレスホルモン量のモニタリング法を確定した。また、平行してストレス応答の急性期変化の計測法としてテレメトリーによる心拍数、体温、経皮的動脈血酸素飽和度を調べる方法を確立するための予備実験を行い、その実現性を確かめた。マカクザル対象の眼球運動課題実験では、「小川のせせらぎ」を聞かせている間は、「特定の音刺激なし」の間と比べ眼球運動速度の最大値が高値を示し、この聴覚刺激が覚醒度低下や中枢性疲労を軽減させる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

<ヒト対象実験>
サブテーマ感性工学的もの作りと環境設計について、マルチモーダルな感覚受容の環境にリハビリテーション訓練環境を想定し、fMRI計測に向け健常者対象の下肢運動障害者の運動回復トレーニングタスク遂行の予備実験を行った。フットペダルの作動状況、fMRI装置内で被験者が行うタスク画面の提示と作動状況を確認し、タスク遂行時の脳活動のイメージング画像取得の研究環境をほぼ整備した。また、タスクパフォーマンス評価へのモーションキャプチャー解析法の適用化を検討した。サブテーマ環境がこころに与える感性効果については、脳波周波数解析が眼電図よるノイズで困難であっため、リハビリテーション訓練環境における励ましによる対人効果をfMRI解析する予定である。
<モデル動物実験>
サブテーマ環境要因の感性的効果の神経生物学的な物質及び構造基盤については、安らぎに関連する神経システムとして情動系を考え、ストレス応答に及ぼす環境要因の受容、つまり感覚受容の影響を研究した。ラットの研究では、ストレス負荷実験の基本パラダイムと操作法、聴覚・嗅覚・体性感覚受容の影響を解析する脳科学的手法を確立し、成果の一部を学会発表した。マーモセットの研究では、飼育環境(ヒトの生活環境相当)の変化によるストレス応答を尿中ストレスホルモン量計測で推定する方法を確立した。また、ストレス応答をテレメトリーによる心拍数変化計測で捉える手技開発を目指している。サブテーマ環境がこころに与える感性的効果については、マカクザルを対象に、こころの反映としての注視行動(興味・関心)解析に必要な眼球運動課題訓練などの実験条件を確立し、特定の聴覚刺激がない状態での、統制群の基礎データを取得した。次に、課題訓練したサルを用いて聴覚刺激として「ホワイトノイズ」→「背景音なし」→「小川のせせらぎ」の順序で提示した場合の視線運動データを取得した。

Strategy for Future Research Activity

<ヒト対象実験>
サブテーマ感性工学的もの作りと環境設計:昨年度改良した足首運動装置を使用し、運動タスク時のシミュレーション実験を更に実施し、実験パラダイムの問題点を適宜修正する。これをもとにfMRI装置で被験者対象の実験を実施し、タスク遂行中の脳画像を取得する。また、タスク遂行時の訓練環境変化の人為操作として、被験者への聴覚刺激(例えば、音楽聴取やせせらぎなどの自然界の音)提示を行いその影響を解析する。さらに、研究の進捗状況に応じて聴覚刺激として音声による励ましや高評価などの精神的報酬提示の効果の解析も想定している。総じて、安らぎを与えることが期待できる刺激提示が運動タスクパフォーマンスに与える効果を検討する予定である。
<モデル動物実験>
サブテーマ環境要因の感性効果の神経生物学的な物質及び構造基盤:①コモンマーモセットを対象に成体(雌4頭、雄1頭)の各個体について、ストレス応答の指標となる尿中コルチゾール濃度をイライザ法で測定する。飼育環境の変化がストレス応答に及ぼす影響に関する基礎データを収集し、解析する。前年度に構築したシステムに改良を加えながら、視覚弁別課題のトレーニングを動物に行う。モニタに提示された視覚刺激に手を触れると、報酬としてジュースを獲得できることを学習させる。課題の遂行(作業負荷)がストレス応答に与える影響について、課題トレーニングの習熟経過に注目し解析する。②ラットやマウスを対象に環境刺激に対するストレス応答の緩和作用が示唆される特定の嗅覚刺激受容や、体性感覚刺激として温度覚や他個体との皮膚接触の効果について、組織化学的方法によるFos反応計測やイライザ法による血中コルチコステロン量測定で検討する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Lemon odor reduces stress-induced neuronal activation in the emotion expression system: an animal model study2012

    • Author(s)
      Sanada Kazue, Sugimoto Koji, Shutoh Fumihiro, Hisano Setsuji
    • Journal Title

      Kansei Engineering International Journal

      Volume: 11 Pages: 115-120

    • DOI

      10.5057/kei.11.115

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Potency of animal models in KANSEI engineering - A basic approach from neuroscience -2012

    • Author(s)
      Ozaki Shigeru, Hisano Setsuji, Iwamoto Yoshiki
    • Journal Title

      Kansei Engineering International Journal

      Volume: 11 Pages: 127-132

    • DOI

      10.5057/kei.11.127

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Morphological analysis for expression of stress-induced immediately early gene proteins in the rat paraventricular nucleus: a correlation with adrenocortical regulation2012

    • Author(s)
      杉本皓司、首藤文洋、久野節二
    • Organizer
      第35回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      20120918-20120921
  • [Presentation] 生活体験に重なる音楽が惹起する情動反応機構を調べるマウスモデル実験法の検討2012

    • Author(s)
      首藤文洋、杉本皓司、久野節二
    • Organizer
      第14回日本感性工学会大会
    • Place of Presentation
      東京電気大学
    • Year and Date
      20120830-20120901

URL: 

Published: 2014-07-24  

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