2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21240039
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
南部 篤 生理学研究所, 統合生理研究系, 教授 (80180553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 實 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (40118451)
川口 泰雄 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (40169694)
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Keywords | 大脳基底核 / 視床 / 大脳皮質 / 運動野 / 随意運動 |
Research Abstract |
大脳基底核と小脳核からの出力が、視床―大脳皮質投射ニューロンに対してどのような影響を与えるのかを調べた。サルの視床から単一ニューロン活動を記録し、大脳皮質運動野の刺激による逆行性応答により、視床―大脳皮質投射ニューロンであることを同定しておく。次に淡蒼球内節、小脳核を刺激し、このニューロンの自発発射の変化について調べた。これらの視床―大脳皮質投射ニューロンは、覚醒下であるにも拘らず自発発射頻度は低い傾向にあった。淡蒼球内節の単発刺激を行うと、抑制あるいは抑制に続く興奮の応答が記録されたのに対し、小脳核の単発刺激では、興奮とそれに続く抑制が観察された。淡蒼球内節から入力を受ける視床ニューロンは、視床の前方に位置するのに対し、小脳核から入力を受けるものはより後方に存在し、両者から入力を受けるものは殆どなかった。次に、100Hz程度の連続刺激の影響を調べたところ、淡蒼球内節の連続刺激では、抑制ばかりではなく、刺激期間中の興奮、さらには刺激後の大きな興奮なども記録された。一方、小脳核の連続刺激では、興奮とそれに引き続く抑制が観察された。以上の結果は、小脳核―視床投射は視床ニューロンに対して興奮性に働くのに対し、淡蒼球内節―視床投射は視床ニューロンに対して、基本的には抑制性であるが、場合によっては興奮性の影響を与える可能性も示唆している。 一方、川口は大脳基底核と小脳から入力を受ける視床核群を免疫組織化学に同定して、それらの徐波時活動を比較したところ、大脳基底核入力を受け前頭皮質表層へ投射する細胞の中に、徐波脱分極相の開始付近で選択的に発火するものがあることを見つけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大脳基底核の出力が視床に与える影響について調べたところ、従来考えられていた様に単に抑制だけではなく、リバウンドによる興奮の可能性もあることが判明した。このことは、大脳基底核が視床・大脳皮質にどのような影響を与え、運動をコントロールしているかについて、大きな考え方の変革を促すものである。
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Strategy for Future Research Activity |
大脳基底核の出力が視床に与える影響について調べたところ、抑制だけではなく、リバウンドによる興奮の可能性もあることが判明した。このような興奮が、実際、大脳皮質の興奮性にも反映するのか、大脳皮質から記録を行い、とくに小脳核からの出力と比べて調べていく。
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Research Products
(37 results)
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[Presentation] What electrophysiology teaches us about the pathophysiology of dystonia
Author(s)
A Nambu, S Chiken, P Shashidharan, H Nishibayashi, M Ogura, K Kakishita, S Tanaka, Y Tachibana, H Kita, T Itakura
Organizer
The International Behavioural and Neural Genetics Society (IBANGS)
Place of Presentation
Rome, Italy
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