2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア機能異常による運動失調マウスの開発とその機能イメージング
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21240044
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Research Institution | 財団法人東京都医学総合研究所 |
Principal Investigator |
米川 博通 財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, センター長 (30142110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 欣亮 財団法人東京都医学総合研究所, 哺乳類遺伝プロジェクト, プロジェクトリーダー (20280787)
設楽 浩志 財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 基盤技術研究職員 (90321885)
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Keywords | ミトコンドリア / マウス / バイオイメージング / 疾患モデル / 運動失調 |
Research Abstract |
ミトコンドリアは古くから細胞内のエネルギー産生、脂質のβ酸化等、生命維持に必須の化合物生産の場として、そして現在では細胞内Ca2+濃度の調節、アポトーシス等、細胞内シグナル伝達の中継所としても注目されている。それ故、ミトコンドリアの機能失調は生体にとって深刻な影響を与えるため、ミトコンドリアに対する品質管理のシステムを生体は保有している。 本研究では、ミトコンドリアの品質管理の破綻による機能異常と疾患との関係を明らかにすることを目的とした。そのためには、ミトコンドリアの機能異常に起因するモデルマウスの樹立が必要であった。特に、ミトコンドリアの動態が機能失調に陥った場合に、最も強く影響を受けると予想される中枢神経系、神経・筋肉系の顕著でかつ重要な表現型である運動失調を呈する新規のモデルマウスの樹立が必要であった。一方、これらモデルの樹立には、各臓器、組織におけるミトコンドリアの動態、すなわちミトコンドリアの融合、分裂、移動等を正確、かつ定量的に測定する系の確立も必要であった。 ミトコンドリアの機能異常に起因するモデルマウスの樹立については、現在までのところ成功に至っていない。一方、ミトコンドリアの融合や分裂そして移動等を正確、かつ定量的に測定する系については、mtGFP-Tgマウス、mtDsRed2-Tgマウス等、4種類の蛍光蛋白で標識されたミトコンドリアを発現するマウスが得られた。さらに、Tfam-GFP-Tgマウスなど、ミトコンドリア機能に関わる蛋白を蛍光標識したマウスも得ることができ、様々な組織、器官でのミトコンドリアの動態を定量的に観察することができた。このことから、ミトコンドリアの動態を観察する系は予定通りに確立できた。 今後は本研究計画で得られた実績をもとに、本計画の最終目標であるモデルマウスの樹立を目指し、研究を続行中である。
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