2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活自立高齢者のための包括的な転倒予防システムの構築
Project/Area Number |
21240064
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
出村 慎一 Kanazawa University, 人間科学系, 教授 (20155485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山次 俊介 福井大学, 医学部, 准教授 (40311021)
佐藤 進 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90291757)
山田 孝禎 福井工業高等専門学校, 一般科目教室, 講師 (60413770)
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Keywords | 加齢 / 老化 / 転倒予防 |
Research Abstract |
本研究は、主に自立生活可能な高齢者の転倒を未然に防ぐために多様な転倒リスク要因を把握するスクリーニング調査や簡易転倒予測テストの開発(課題1)、転倒に関連する身体機能改善プログラムとその評価テストの開発(課題2)、さらに転倒時に骨折させないための動作の解明および衝撃を軽減する装具(プロテクター)の開発(課題3)を目的とし、包括的な転倒予防・機能回復システムを構築することを目指す。本年度はそれぞれの課題の基礎研究について独立に取り組んだ。課題1では、文献研究を踏まえ易転倒性、身体機能、疾病・身体症状、環境、行動・性格の5要因を転倒リスク要因と仮定し、転倒経験を加えた51項目の予備スクリーニング調査票を作成し、965人の高齢者を対象に予備調査を実施した。転経験者の割合は16.6%(160名)であった。総合得点および要因得点による転倒経験の予測の精度を検討するために、転倒経験を従属変数、総合得点または要因得点を独立変数とした判別分析を行った。また、都老研の転倒リスク評価票と比較するために、都老研評価票の総合得点を独立変数とする同様な分析を実施した。分析の結果、5つの要因得点を独立変数とした場合の正判別確率(38.9%)は、易転倒性要因得点のみを独立変数とした場合の判別確率と同等であった。また、それらは都老研評価票を用いて分析した結果(28%)よりも高かった。課題2では、転倒予防プログラムの改善として新規に立ち上がりテスト、その場足踏みテスト、両面指示ステップテスト、敏捷性テストなどを考案し、高齢者189名を対象にこれらを含む種々の身体機能テストを実施した。各項目相互間の関係、ADL得点や転倒経験、下肢筋力、下肢関節障害の有無などとの関係を検討した。上記のテストはADL得点の差異や転倒経験の有無を反映するが、項目間の関係や下肢筋力との関係は必ずしも高いわけではなく、それぞれのテストの独立性が示唆された。課題3として、易転倒高齢者の転倒時の骨折時のヒッププロテクターの開発の基礎研究として、若年者を対象とした転倒時の衝撃度、加速度の計測を実施した。
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Research Products
(4 results)