2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活自立高齢者のための包括的な転倒予防システムの構築
Project/Area Number |
21240064
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
出村 慎一 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20155485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山次 俊介 福井大学, 医学部, 准教授 (40311021)
佐藤 進 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90291757)
山田 孝禎 福井工業高等専門学校, 一般科目教室, 講師 (60413770)
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Keywords | 加齢 / 老化 / 転倒予防 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、高齢者の転倒を防ぐために転倒リスクスクリーニング調査の開発(課題1)、転倒関連身体機能改善プログラムとその評価テストの開発(課題2)、および転倒時に骨折を防ぐ動作の解明および衝撃軽減装具の開発(課題3)を目的として、それぞれの課題に取り組んだ。課題1では、1122名の地域高齢者を対象とした転倒リスクスクリーニング調査について、様々なアプローチから分析した。転倒リスク特性をパターン分類したところ、高転倒リスク群では、60%以上の者(男性68.3%、女性64.2%)が複数の転倒リスク要因に問題を有しており、身体機能およぶ行動・性格要因に問題を有する地域高齢者が多い傾向が認められた。また、これらの特徴は男女とも同様であった。一方、低転倒リスク群において一つ以上の転倒リスク要因に問題を有する高齢者は男性48.4%、女性55.6%であった。また、全要因にリスクを有する者は45.1%、二つの要因では19.8%、一つの要因では14.1%であった。一方、いずれの要因にもリスクを有さない者であっても約10%の転倒発生率を示した。自立高齢者であっても3つ以上のリスク要因を抱える場合、転倒リスクが非常に高くなることが明らかとなった。課題2では、先行研究にて報告されている筋力、バランス、歩行に加えて、椅子立ち上がり動作、および敏捷性ステップ動作が転倒と密接に関与していることが明らかとなり、改善プログラムとしてこれらの機能を高める必要性が示唆された。課題3では、転倒の方向、原因とケガの種類、程度、部位、ADL水準との関連性を検証した。その結果、転倒方向は、ケガの程度と関連がないものの、ケガの部位とは関連が認められた。また、転倒の原因は、ADL水準の低い者はつまずきが多いのに対し、高い者はふらつき、スリップが多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画どおり研究を遂行し、多くの成果発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
5カ年計画のうち、3カ年が経過したが、概ね順調に進展している。計画通り3課題を独立して進められたので、本年度より各課題の統合を考慮しながら、計画通り研究を進めていく。
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Research Products
(24 results)