Research Abstract |
本プロジェクトでは,私たちの生活にあるモノに注目し,そのモノ自体や,モノの色彩と質感が,生活者にどのように印象を与えるのか,また,消費購買活動にどのくらい影響を与えているのかについて考察する.その研究の目的は,色彩などによって感じる印象・感情,また,質感が,消費購買活動にどの程度寄与しているのか数量的に知ることにある. 今年度は,プロジェクト初年度として,研究対象とするモノと,その関連因子をキーワードとして選定した.具体的には,研究対象となるモノとして,衣服,食品,住居の中にあるモノ,また,キーワードとして,ファッション,ブランド,CI,季節感,国際比較を選定した.そして,本プロジェクトの研究者が,それぞれの立場から,色彩と質感を念頭に,広く連携を組みながら,大きく4つの角度から研究を進めた.すなわち,1.色彩と質感の計測とその評価の可能性の検討,2.モノとその色彩・質感が生活者に与える印象の把握,3.実物・印刷物・画像の3種の間で受ける印象の差異と消費購買動機への影響の把握,4.実際のモノの購買・使用とメディアの影響の把握である.このうち,1の計測・評価の可能性については,デジタル手法や統計手法を用いることで,色彩,光沢感,ムラ感などの計測評価の可能性を見出した.2の生活者が受ける印象については,モノの色彩から受ける印象の数量化を試み,たとえば,モノの色彩から受ける季節感の数量化を行った.3の実物・印刷物・画像による印象の差異と消費購買動機への影響では,ソックスとガラスを対象に,インターネット販売や通信販売などでの画像や印刷物を用いて実物との印象の差異があるのかを調べ,その差異を数量的に見出した.そして,4の実際のモノの購買・使用調査では,たとえば,ストリートファッションでの衣服の使用実態について調査を行い,地域性や雑誌メディアとの関連を見出した.
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