2011 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な土地利用のための農林地土壌の生物多様性指標
Project/Area Number |
21241010
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
金子 信博 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (30183271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増永 二之 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (10325045)
山下 多聞 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (30263510)
小松崎 将一 茨城大学, 農学部, 准教授 (10205510)
高橋 正通 森林総合研究所, 科長 (40353750)
長谷川 元洋 森林総合研究所, 主任研究員 (70343811)
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Keywords | 土地利用 / 土壌生物多様性 / 生態系機能 / 持続可能性 / 耐水性団粒 / 不耕起 / 森林土壌 |
Research Abstract |
土壌に生息する多様な生物がもつ、一次生産や物質循環の維持に大きく寄与している生態系サービスが土地利用との関係でどのように変化するかを知るために、持続可能な土地利用の指標の開発を行った。耕地め調査では、横浜国立大学と茨城大学農学部附属阿見農場において、不耕起実験圃場を新たに設定し、耕起の有無と施肥(横浜)カバークロップ(草生)の有無(阿見)のそれぞれ2要因実験を行った。森林の調査では、茨城県常陸太田市の伐採・造林後の年数が異なるスギ人工林で土壌構造とミミズ群集を調べた。さらに、島根県雲南市の火入れ焼き畑造林地でも造林からの年数が異なる森林を選び、土壌構造と土壌の理化学性を調べた。また、土壌構造の破壊が植物の成長に与える影響について、モデル栽培実験を行った。農地と森林という土地利用において、耕起や伐採、火入れといった撹乱で土壌構造が変化するが、農地の不耕起化や、森林植生の回復により、土壌構造が回復していた。耕地と森林で土壌の指標として耐水性土壌団粒を統一的に評価し、ミミズが団粒形成に寄与しており、そのことが土壌炭素量の増加をもたらしていることを明らかにできた。土壌構造の変化は、土壌微生物や小型節足動物の活動を規定しており、二酸化炭素やメタンの土壌からのフラックスに影響していた。土壌の生物多様性指標としては、生物相そのものではなく、生物起源の耐水性団粒を指標とすることが妥当であると結論した。
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Research Products
(30 results)