2010 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海流域での地下水流動及び河川作用を考慮したリン循環の解明とその資源的評価
Project/Area Number |
21241011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 正人 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (70117232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 民次 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (40240105)
小野寺 真一 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (50304366)
佐藤 高晴 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (90196246)
於保 幸正 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80152560)
地下 まゆみ 千葉科学大学, 危機管理学部, 講師 (20406804)
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Keywords | 陸水学 / 環境変動 / リン資源 / 循環 / 瀬戸内海 / 地下水 / 河川 / 沖積層 |
Research Abstract |
本研究では、地下水流動及び河川作用(堆積作用)を考慮した短期的~長期的なリン循環の解明を行うとともに、その資源的評価を行うことを目的とする。特に、富栄養化の結果、リンの総量規制が行われてきた瀬戸内海に流入する一級河川流域(芦田川、旭川)を対象とした。その結果,以下のことが明らかとなった。 1.長期的(数千年スケール)なリン循環解明 (1)岩石の風化状況を把握するために,中国地方に広く広がる侵食小起伏面の分布とその形成史を明らかにした。 (2)岡山平野の堆積物中のリン含有量は炭素含有率よりはむしろ強熱減量と関係し、リンはバーミキュライト中に吸着されている可能性が示唆された。 (3)水素・酸素安定同位体比とCl^-濃度より,岡山平野に広く分布する約10mの沖積粘土間隙水には堆積当時の情報が含まれている可能性が示唆された。 2.短期的(1~数十年スケール)なリン循環 (4)農業用堰(小規模ダム)内のリン蓄積量を現地観測,分布型流出および生態系モデルによって推定した。その結果,堰内には流域内の農地への年間リン施肥量の約2年半分に相当するリンが蓄積されていることを明らかにした。 3.沿岸におけるリン再生産 (5)児島湾・湖の堆積物の堆積構造,粒度,^<210>Pb年代から過去の海底環境変遷を明らかにした。堆積物中のリン画分の分析の結果その大半は無機態であった。 (6)閉鎖性小海域(広島湾奥部)におけるリン収支の解析を行い陸域からのリン負荷よりも隣接する海田湾からの負荷が大きいことを明らかにした。 (7)広島湾全体での物質循環を表現する浮遊生態系-底生生態系カップリング・モデルを作成しリン循環を明らかにした。広島湾底泥表層に堆積した有機泥の層厚および底泥中のリン濃度を測定し,広島湾底泥中のリンの総量を見積もった。
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Research Products
(57 results)