2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ熱帯林における慣習的権利の確立と多民族共存に関する研究
Project/Area Number |
21241057
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Research Institution | Japan Monkey Centre |
Principal Investigator |
市川 光雄 財団法人 日本モンキーセンター, 所長 (50115789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 大治 京都大学, アジアアフリカ地域研究研究科, 教授 (40242573)
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Keywords | 熱帯雨林 / 非木材森林産物 / 地域住民 / participatory mapping / 持続的利用 / カメルーン |
Research Abstract |
本年度の研究は、(1)「非木材森林産物の利用」、(2)「森林利用の地図化」、(3)「慣習的利用をめぐる社会関係、民族関係の分析」、(4)これまでの調査のまとめ、の4項目について実施した。 (1)「非木材森林産物の利用」に関しては、カメルーン東部州の国立公園周辺において、住民の食生活等における森林産物の利用を調査し、それらのもつ文化的、経済的意義とその変化について調査した。また地域住民の協力を得て、それらの森林における分布の調査をおこなった。さらに、植民地期以降の森林政策と非木材産物利用の歴史的変化に関する資料収集をフランスの海外古文書館等においておこなった。 (2)「森林利用の地図化」については、カメルーン東部州の住民と協力して、GPS、簡易測量具による土地・資源利用の地図化(participatory mapping)を進め、集落周辺の300筆の耕地及び二次林とそこに生育する有用樹種の分布調査をおこなった。また、実際に狩猟採集活動などに同行して、資源とその採取場所、活動域などをGPSにより記録し、地図化のための資料を収集した。 (3)「慣習的利用をめぐる社会関係」に関しては、地域住民等のアクターに関する調査をおこなった。調査地では、国際NGO組織の援助により、住民の共同管理区=コミュニティ・フォレストが認定されているが、その利用と管理の調査をおこなった。また、ガボンでは、モカラバ国立公園周辺において、森林利用に関わる住民組織に関する調査を実施した。 (4)これまでの調査をまとめ、英文の報告書「Land Use,Livelihood,and Changing Relationships Between Man and Forests in Central Africa」(178頁)を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた非木材森林資源の利用やその地図化などに関してほぼ計画通りに進行しており、また、計画開始後3年度目に、連携研究者や海外共同研究者、研究協力者をも加えた形でこれまでの成果をまとめた中間報告を出版することができたので、計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画では、調査研究活動とその成果の還元に、いかにして当事者である地域の住民を巻き込むかが課題であったが、今後はその方向をさらに進めたい。
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Research Products
(13 results)