2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ熱帯林における慣習的権利の確立と多民族共存に関する研究
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21241057
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Research Institution | Japan Monkey Centre |
Principal Investigator |
市川 光雄 (財)日本モンキーセンター, その他, 所長 (50115789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 大治 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40242573)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流(カメルーン、フランス) / 国際情報交換(カメルーン連合王国、フランス) / 熱帯雨林保全 / 持続的利用 / 地域住民 / 生態人類学 / 文化人類学 |
Research Abstract |
平成24年度は、森林伐採と保護計画が同時に進行している中部アフリカのカメルーンにおいて、以下の調査を研究を実施した。 1.非木材森林産物の分布と利用=カメルーン東部州の熱帯雨林地域において、非木材森林産物(NTFPs)の文化的、経済的価値およびそれらの変化についての調査を継続した。とくに、NTFPsの食生活及び家計収入における重要性に関する定量的データを収集した。 2.森林利用の地図化=カメルーン東部州の調査地において、地域住民による森林の土地利用と資源の分布及び利用に関する資料を収集し、それらの地図化を試みた。 3.森林の慣習的利用をめぐる社会関係=調査地の人口構成、民族構成を明らかにするとともに、森林の土地及び資源の利用にかかわる住民組織に関する現地調査をおこなった。 4.学会発表と研究会の開催=日本アフリカ学会(5月、東京)や、国際民族生物学会(5月、フランス・モンペリエ)などの国内外の学会において研究成果の発表をおこなった。また11月にはカメルーンにおいて現地の関連研究者をあつめてワークショップをおこない、成果の発信とそれに対するフィードバックを得た。さらに、フランスの機能・進化生態学研究センターから共同研究者を招へいし、国内の研究者をあつめて研究会を開催し、関連分野に関する最新の研究との比較検討をおこなった。 5.国際情報交換としては、連合王国のロンドン大学、フランスの機能・進化生態学研究センター、自然史博物館を訪問し、関連分野に関する最新の知見、情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた非木材森林資源の利用や社会関係に関するデータに関して、ほぼ計画通りに進行している。森林資源の分布と利用の地図化については、平成25年2月に調査にあたっていた連携研究者が現地で罹病したため調査が遅れていたが、繰り越し制度を利用して翌年度に調査を再開し、ほぼ遅れを取り戻すことができた。また、これまでの成果を国内外の学会などで発表したほか、最終年度にむけて成果出版の計画も進んでいるので、計画はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画では、調査研究活動とその成果の還元に、いかにして当事者である地域の住民を巻き込むかが課題であったが、最終年度にはその方向をさらに進めたい。今後は、地域住民に、調査活動とその成果の共有に積極的に参加してもらい、地域住民による、地域社会のためのコミュニティ・サイエンスの確立に向けてあらたな計画を検討したい。
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Research Products
(8 results)