2011 Fiscal Year Annual Research Report
「共同体」概念に依拠しない秩序形成の理論歴史学~魂の脱植民地化の新しい展開~
Project/Area Number |
21242015
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安冨 歩 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20239768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 葉子 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20193815)
脇田 晴子 城西国際大学, 人文学部, 名誉教授 (80088012)
長崎 暢子 龍谷大学, 人間・科学・宗教総合研究センター, 研究員 (70012979)
中村 尚司 龍谷大学, 人間・科学・宗教総合研究センター, 研究員 (50172424)
生田 美智子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 名誉教授 (40304068)
千葉 泉 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (20217243)
西川 英彦 法政大学, 経営学部, 教授 (10411208)
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70334448)
葛城 政明 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60273736)
苅部 直 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00261941)
渡辺 己 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (30304570)
星 泉 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (80292994)
小寺 敦 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (30431828)
上田 貴子 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00411653)
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
與那覇 潤 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (50468237)
|
Keywords | 立場 / 蓋 / 植民地化 / 脱植民地化 / 親鸞 / 他力 / 幻影 / 東大話法 |
Research Abstract |
2011年3月11日の東日本大震災と、それに伴う福島第一原子力発電所事故の発生により、日本社会を覆っている欺瞞的構造が、以前よりも遥かに可視化されるようになった。そこで、この欺瞞的構造を、「魂の脱植民地化」の研究成果を全面的に応用して分析を行った。 そのなかで浮かび上がったのが、「立場」という概念である。近代日本社会は、近世日本社会の基礎単位である「家」を、「立場」へと分解し、個々人を立場の素材とする形で抑圧するシステムを形成したと考えられる。こうして人々は、個々人の考えとは別に、立場上の考えを展開する技能を磨く。その最も洗礼された話法を「東大話法」という概念で総括した。なぜなら東京大学卒業生に代表される知的エリート集団は、この立場の生態系を運営するための言語操作に特別の能力を発揮するからである。 魂の植民地化/脱植民地かの研究は、必然的に研究者自身の内面に食い込んだシステムを取り扱うことになる。立場主義や東大話法もまた、我々自身の内面に深く刻まれ、我々を制約しているからである。このような自分自身を含んだ形での研究のスタイルを確立すべく韓国研究、台湾先住民族タイヤルへの暴力、エジプトのコプト教会、モンゴル遊牧民などの問題を研究者自らを問う形で追求した。また、脱植民地化の契機を求めるために、自らの価値を見出すための静岡におけるNPO活動および沖島・上勝町における事業活動を研究した。更に「親鸞ルネサンス」を推進すべく他力思想について研究を展開し、東洋思想の根源たる『論語』の思想を学習の観点から統一的に考察する道を開いた。 これらの研究は『東洋文化』92号の特集号における10本の論文によって公表され、更に『魂の脱植民地化叢書』の刊行を開始した。これ以外に、安冨による数冊の著作、多数の記事、ブログ、ツイッターなどで広く国民に成果を公開し、大きな反響を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|