2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21242020
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 哲哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20162266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 吉郎 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (30229497)
中生 勝美 桜美林大学, 人文学系, 教授 (00222159)
飯島 渉 青山学院大学, 文学部, 教授 (70221744)
浅野 豊美 中京大学, 国際教養学部, 教授 (60308244)
石川 健治 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40176160)
|
Keywords | 帝国 / 京城帝国大学 / 台北帝国大学 / 日本近現代史 / 学知 / 植民地 / 大学史 / 東アジア近現代史 |
Research Abstract |
平成23年度は、本研究計画の最終年度にあたる。このため、最終的な研究成果の公刊にむけて、植民地大学の制度・機能・遺産について、各研究分担者がそれぞれの研究分野について史料調査を進める一方で具体的な執筆計画について、綿密な打ち合わせを行った。具体的には、平成23年4月から12月まで、隔月で定例研究会を行い、各自が現在の執筆構想を報告して、参加者全員でその内容を議論し、より緊密な研究協力体制を取れるようにした。また、関連する分野の海外研究者との研究協力も積極的に推進し、平成24年2月には、本研究会メンバーを中心に、海外の研究者も加えた国際研究集会を行い、日本・韓国・台湾における研究動向を把握し、より国際的な文脈に沿った、比較史的展望を持つように努めた。また、狭義の植民地大学に関する事例ではないが、関連する事例(例えば、琉球大学の「日本復帰」など)についても考察する必要性を感じ、この分野の代表的な研究者との交流も深めた。現在は、これらの研究準備に基づいて、各自が研究成果の論集執筆を行っている段階であり、平成24年秋頃に、論文集として研究成果が公刊される予定である。論文集には、個々の研究論文のほか、比較植民地大学史の可能性を扱った総論的な論文を置き、また、植民地大学関係の年表・文献目録解題などを付すことで、広くこの分野に関心を持つ人々に役に立つよう、務めるつもりで準備を進めている。植民地大学の研究については、これまでも、おのおのの植民地帝国大学に関する個別研究は行われており、また帝国日本の学知に関する概括的な検討も行われてきたが、本研究計画のように、日本帝国内の植民地帝国大学を比較史的に検討することを自覚的・体系的に行った研究はまだ少なく、その意味で、本研究計画にも一定の意義はあったと思われる。また、韓国・台湾のこの分野の研究者との研究交流を進めることも、当初予期していたよりも積極的な協力が海外の研究者から得られ、この分野における国際的な学問的相互理解を進める手だてになった、と思われる。
|
Research Products
(32 results)