2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21242023
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
角谷 常子 Nara University, 文学部, 教授 (00280032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨谷 至 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70127108)
藤田 高夫 関西大学, 文学部, 教授 (90298836)
関尾 史郎 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70179331)
鷹取 祐司 立命館大学, 文学部, 准教授 (60434700)
寺崎 保広 奈良大学, 文学部, 教授 (70163912)
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Keywords | 木簡 / 簡牘 / 東アジア |
Research Abstract |
(1)韓国において木簡調査、遺跡調査、韓国木簡学会との学術交流及び韓国各地の研究者・考古発掘担当者との学術交流を行ない、最新の木簡及び石刻資料、さらに木簡研究の現状についての情報を得た。 主な具体的成果としては、新羅木簡と百済木簡の特徴を実物を見ながら確認できたこと、木簡が出土した山城の地形と出土地点の関係がわかったこと、これまで知られていなかった形状をした無文字の木簡が出土しており、それと中国木簡との類似が推測されること、などの知見を得たこと、などである。 (2)3回全体研究会をもち、木簡分類法・通行証・下行文書といったテーマについて、日中それぞれから発表し、質疑応答・討論を行なった。これは相互の認識の相違・ずれなどを浮かび上がらせ、その原因について議論することが目的である。 そこで明らかになってきたのは、木簡の形や書式の異同や管理・使用方法の相違は、国家がめざすものは何かという、根本的・本質的問題によるという認識である。 (3)南北朝時代の専門家を招いて、小研究会を4回もった。これは共有する知識の深化と、日本木簡が紙木併用期のものであることに対応して、同じく紙木併用期である南北朝時代との比較研究を目的とする。ここでは、日本と中国の差もさることながら、同じ中国でも、秦漢時代と南北朝以降とでは懸隔があることが認識され、日本木簡が影響をうけたであろう南北朝時代の研究の重要性が再認識された。
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Research Products
(26 results)