2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21243001
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浅古 弘 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90247198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦川 道太郎 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90063792)
加藤 哲夫 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90063809)
西 英昭 九州大学, 法学研究院, 准教授 (50323621)
新田 一郎 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40208252)
山中 至 熊本大学, 大学院・法曹養成研究科, 教授 (90167718)
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Keywords | 植民地 / 岡松参太郎 / 千種達夫 / 判決原本 / 台湾 / 法院 / 韓国 / 満洲 |
Research Abstract |
本研究は、(1)帝国と植民地統治という視点から、『岡松参太郎文書』等の歴史資料に基づき、東アジア諸国の近代法の形成に及ぼした相互の影響を実証的に明らかにし、そこにおける日本法の影響とその意義を明らかにするとともに、(2)台湾及び韓国に現在する日本統治時代の判決原本などの裁判記録を、研究資料として利用できるよう、目録を作成し、これを公開することによって、植民地法制に関する研究の基礎を整えようとの試みである。本年度は、台湾法務部司法官訓練所が保管する日本統治時代の刑事判決本23冊3,661件を目録に採録した。これで278冊29,642件の採録が終わった。早稲田大学図書館に寄贈された宮内季子文書の写真など78点の整理を行い、同仮目録(書簡290件、書類70件、写真など78件)の作成を終えた。また2011年2月には、韓国最高法院記録保存所、同図書館、国会記録院本館、ソウル大学校法科大学図書館を訪問し、朝鮮総督府法院文書原本が現在することを確認することができた。国家記録院において著名な朝鮮独立運動治安維持法違反事件の判決書謄本を蒐集した。第3回「帝国と植民地法制」研究会(7月10日・早稲田大学)を開催し、(1)浅古弘「東アジアに於ける記録管理法の比較-韓国・中国・台湾-」、(2)中網栄美子「19世紀末韓国で行われた日本の領事裁判に関する実例報告」の研究報告があった。第4回「帝国と植民地法制」研究会(9月7日・熊本大学)を開催し、(1)岡本真希子「朝鮮総督府官僚の任用制度と俸給制-朝鮮・台湾・本国、交錯する法域と民族-」、(2)山中至「謀殺と故殺の区別について-台湾司法官訓練所所蔵刑事裁判記録を素材として-」の研究報告があった。
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