2011 Fiscal Year Annual Research Report
法律学と精神医学の共働的アプローチによる非行問題への対処
Project/Area Number |
21243006
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
丸山 雅夫 南山大学, 法務研究科, 教授 (50140538)
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Keywords | 少年法 / 精神医学 / 非行 / 刑事政策 / 少年処遇 |
Research Abstract |
平成23年度は、東日本大震災の影響のため本格的な研究への着手に遅れが生じたが、全体としては、当初の予定通りの進捗状況を確保することができた。この3年間における実績の主なものについては、冊子体の報告書として公刊することができた。 個別の研究会の開催は、少年法・少年法制・少年処遇を中心として、精神医療関連の研究会と連携しながら10回程度を開催することができた。研究プロジェクトの最終年度ということもあり、法律的な分野は当然のこととして、特に精神医学的アプローチに重点をおいた研究会となった。なかでも、非行問題との関わりが重要課題として大きな関心を呼んでいる「発達障害圏」の子どもの実情についての知見を深めることができた。精神医学との共働を明確に意識した3年間の研究の成果については、勁草書房との間で、丸山雅夫/五十嵐禎人編「少年法と精神医学との連携」と題する(仮題)研究書として公刊する計画が進められている。また、個人としての研究成果については、例年通り、学会誌や紀要を通じて個別に発表を行っている。 国外の施設参観については、当初は訪問国としてヨーロッパないしは北欧を予定していたが、児童・少年を被害者とする性犯罪に対する徹底した対策(電子監視や性ホルモン治療の実施)が一気に実現した韓国に訪問先を変更して実施した。その成果は、関連の5法令を翻訳して公刊されることになった。他方、国内の施設については、それぞれ設置形態の異なる児童自立支援施設(きぬ川学院[国立]、北海道家庭学校[私立]、大沼学園[北海道立])を中心として、少年院(松山学園、丸亀少女の家)、刑務所(松山刑務所)を参観し、施設処遇の実態について知見を深めることができた。
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Research Products
(5 results)