2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイエンスにおける知識生産プロセスとイノベーション創出の研究
Project/Area Number |
21243020
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
長岡 貞男 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (00255952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 学 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (30280902)
伊神 正貫 一橋大学, イノベーション研究センター, 特任准教授 (70371002)
伊地知 寛博 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40344072)
大湾 秀雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60433702)
楡井 誠 一橋大学, イノベーション研究センター, 准教授 (60530079)
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Keywords | サイエンス / イノベーション / 科学者 / 知識 / サーベイ |
Research Abstract |
「サイエンスにおける知識生産プロセス」に関する日本のサーベイ結果からの最初の知見をとりまとめ、2010年10月の文部省科学技術政策研究所との共同ワークショップで結果を公開した。英文報告書も作成し、研究成果を国際セミナー、国際ワークショップで発表した(OECD、2010年8月、4th BRICK-DIME-STRIKE Workshop、2011年2月)。後者のトリノ大学でのワークショップでの発表は10倍を超える倍率の中、招待論文として選ばれた。 ジョージア工科大学と協力して米国のサーベイを順調に実施することができた。米国の科学者の8,900名に送付し、2,300名を超える回答(完全な)を得ることができ、日本と同様に、約3分の1が引用頻度において上位1%の論文を生み出したプロジェクトである。日米の回答者のプロファイルを比較すると、 (1)回答科学者の属性:日米とも約80%の回答者が大学の研究者であり、10%強が政府系の研究機関、民間企業を含めてその他が10%弱であった。 (2)研究プロジェクトの動機:上位1%の論文において、基礎原理の追求が非常に重要な割合は、米国では約8割に対して日本が約6割、現実の具体的な問題解決が非常に重要な割合は米国では4割強であり日本では約3割であった。日米とも基礎原理の追求の動機が上位1%の論文でより強かった。パスツールの象限に属する研究(両者の動機がともに非常に重要な研究)は米国では32%存在し、日本の14%より高かった。 (3)研究過程:上位1%の論文で日米とも約6%のプロジェクトで研究プロセスが当初の計画と全く異なり、また約3割のプロジェクトで研究成果は当初の予定を大きく上回る結果であった。 (4)研究競争:研究プロジェクトを開始した際の認識として海外の競争相手を認識していた場合は、上位1%の論文で米国は7割、日本で約85%、その割合は上位1%の論文でより高かった。プライオリティー競争を非常に心配していた研究の割合も、上位1%の論文でより高かった。
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Research Products
(4 results)