2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21243024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀧井 克也 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (70346138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (00397704)
佐々木 勝 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (10340647)
松繁 寿和 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (50219424)
石田 潤一郎 大阪大学, 社会経済研究所, 准教授 (40324222)
平田 憲司郎 立命館大学, 経営学部, 講師 (70423209)
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Keywords | 人材の配置 / 生産性 / 階層化 |
Research Abstract |
本年度は以下のようなプロジェクトを行ってきた。 1.人の配置と生産性:1)マクロの生産性:a)教育政策が人材の割り当てに与える効果を分析した論文を修正しより完成度の高いものにした。結果Canadian Journal of Economicsへ公刊されることが決定した。b)大学院生に対する需要を文系と理系に分けて分析を開始した。c)企業が労働者に企業特殊資本への投資インセンティブを促さなければならない下で、労働者の最適な配置を促すための労働市場の制度設計についての理論分析の結果を整理し、数回にわたり発表を行ってきた。2)企業の生産性:a)トップの変化が、雇用政策や投資政策等の企業の戦略にどのような変化をもたらすのかの実証分析の結果が整理されてきた。b)合併の後に生き残る役員のタイプに対するファクトが整理されてきた。3)人の生産性:個別企業において行われるアンケート調査の分析やキャリアのインセンティブ効果についての理論分析を地道に続けてきている。 2.人の配置と階層化:1)人の階層化:a)昇進とローテーションの関係に関するファクトファインディングを行った論文のFirstDraftを完成させ、ディスカッションペーパーとして公開した。b)国交省における出向と昇進との関係を分析した論文をより精緻なものにした。2)組織の階層化:a)大学間偏差値がどのように変化したかを分析するためのより精度の高いデータがほぼ完成した。b)人材配置の変化がもたらす企業間格差の影響を分析した論文を修正しより完成度の高いものとした。 3.データ構築:1)学歴データと民間・公務員・政治家等の人事データをマッチさせる準備がほぼ整った。2)銀行の統廃合に関するデータを整備された。3)企業間の系列関係を整理するデータが整備された。4)国交省の人事データをより充実したものとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個別プロジェクトは着実に前進している。それらをふまえて来年度にはより多くの成果を形にすることができるであろう。しかしながら一点ネックとなる大きな問題を抱えていた。それは、個別プロジェクトを有機的に関連付けていくためのかなめとなる大学間偏差値のデータの整備が予想以上に困難を極めたことである。具体的には、大学間偏差値のデータの入力のもととなっている河合塾の「栄冠めざして」の中に記載されている大学名、学部、学科名が年度をまたいで変更されており、その変更があまり規則性を伴わないため、ケースバイケースの補正を余儀なくされた。そのため、当初の予想以上にデータ整備に時間がかかってしまった。しかしながら、ようやくデータの補正も完了してきたので、新たな飛躍が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
個別に地道に積み上げてきた、様々なプロジェクトの成果をまとめることができる時期が近付いている。本年度の一つの目標は、そういった成果を一つ一つまとめていくことである。次に、念願であった大学間偏差値のデータがほぼ完成し、他のデータとマッチさせる準備がようやく整ってきたので、できるだけ速やかに複数のデータとマッチさせ早急に解析を進めていくことが二つ目の課題である。3つ目の目標としては、大学選択メカニズムの解明。日本経済におけるミスアロケーションのあり方等、新規プロジェクトへのチャレンジも試みる。
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Research Products
(22 results)