Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博俊 都留文科大学, 文学部, 教授 (10145708)
福井 雅英 北海道教育大学, 大学院, 教授 (20388804)
田中 昌弥 都留文科大学, 文学部, 教授 (60261377)
庄井 良信 北海道教育大学, 大学院, 教授 (00206260)
龍崎 忠 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80340389)
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Research Abstract |
本年度は,次の三つの調査を実施し,臨床教育学の構想・課題,概念・方法の理論的検討を深めた。 (1)日本の大学で進められている臨床教育学の構築の動き,教師の専門性の再検討とそれを軸とする教師の養成・教育・研修の改革の試みの今日的な到達と課題を整理した。大学調査としては,臨床教育学の開拓を志向しつつ教師の専門性の再検討を進めている都留文科大学・大学院における卒業生・修了生への聴きとり調査を実施した。 (2)共通する問題意識の下に教育学と教師教育の改革に取り組んでいる世界の実践家・研究者たち(フィンランド・カナダ等)との研究交流を広げ深めることができた。海外調査は,フィンランドのオウル大学・教師教育学部(カヤーニ校),カナダのアルバータ大学,サイモンフレーザー大学等,海外の拠点大学で実施した。 (3)地域において,問題・困難を抱えた子どもについての理解の深化,子どもを支える新しい共同関係の創造を追求し,発達援助専門職や教師のあり方を模索している人々の動きについて調査研究を本格化し,臨床教育学への社会的要求を確かめることができた。地域調査では,発達援助専門家たちとの連携・共同を基盤に教師の専門性を問い直しているコミュニティの一つである北海道・檜山上ノ国町での聴きとり調査を実施した。 これらの基礎的な調査活動を通して,教師の専門性の再検討と教師の養成・教育・研修の内容の改革の今日的課題の抽出を行うことができた。それを通じて,教師を,現代の発達援助専門職の一員,子どもの生活史・生育史上の問題・課題の共感的な理解者,子どもが生存・成長のために必要とする人間関係のコーディネイター,子どもが必要とする学習活動の計画的組織者,Teacher(教授者)であるだけでなくEducator(教育者)として位置づけ直し,その専門性を問い直すことができ,2年目の共同研究として基本的な理論構築の枠組みを探究することができた。
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