2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21243043
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
田中 孝彦 武庫川女子大学, 大学院, 教授 (80092261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博俊 都留文科大学, 文学部, 教授 (10145708)
福井 雅英 北海道教育大学, 大学院, 教授 (20388804)
田中 昌弥 都留文科大学, 文学部, 教授 (60261377)
庄井 良信 北海道教育大学, 大学院, 教授 (00206260)
龍崎 忠 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80340389)
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Keywords | 臨床教育学 / 教師教育 / 子ども理解 / 教師の専門性 / ナラティヴ / 治療教育学 / 震災と教育 / コミュニティ |
Research Abstract |
本年度の調査研究は次の三つの柱で実施した。(1)大学調査:臨床教育学の開拓を志向しつつ教師の専門性の再検討を進めている国内諸大学における実地調査(北海道教育大学大学院教育学研究科・学校臨床心理専攻への聴きとり調査)。(2)地域調査:地域における発達援助専門家たちとの連携・共同を基盤にしたコミュニティにおける実地調査(震災の影響を受けた東北地方の地域調査)。(3)海外調査:臨床教育学と重なる問題意識を共有する研究拠点での海外実地調査(カナダ,ドイツ、オランダ、アイルランド)。 理論研究活動は,次の3つの柱で実施した。(1)臨床教育学の概念と研究方法:共同研究会において、都立大学名誉教授の坂元忠芳氏から「治療教育学と臨床教育学」というテーマの提案を受けて、治療と教育、発達と教育の原典にもとづく臨床教育学の緻密な理論構築への示唆を得ることができた。(2)教師教育改革の動向と臨床教育学:日本教育学会特別課題研究委員会(現職教師教育カリキュラムの教育学的検討)にも積極的に参加しながら、子ども理解を基盤とした教師教育カリキュラムや、ナラティヴな探究あるいはナラティヴな学びを基幹的コンセプトとした教師教育の臨床教育学的なカリキュラムの改革論議を深めることができた。(3)日本臨床教育学会の設立(武庫川女子大学)と第1回年次大会(北海道教育大学)における研究ビジョン構築において、本科研共同研究の共同研究者たちは、きわめて重要な役割を果たし、内外における臨床教育学の発展の基盤づくりに大きく貢献した。また、ナラティヴ・ラーニングの研究成果は、翻訳出版を準備中である。 以上のことをとおして、このたびの共同研究発足当初に掲げていた目標、すなわち、(1)日本の臨床教育学の構築、(2)教師養成・教育における改革課題の抽出、(3)臨床教育学の国際的な共同研究の基盤づくりが、ほぼ予定通りに達成され、また予想を超える成果も生まれた。
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Research Products
(25 results)