2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊吹山 知義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60011722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文広 立教大学, 理学部, 教授 (20120884)
桂田 英典 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80133792)
若槻 聡 金沢大学, 数物科学系, 助教 (10432121)
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Keywords | 整数論 / ジーゲル保型形式 / 跡公式 / 次元公式 / ヤコービ形式 / 微分作用素 / 超特異アーベル多様体 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
今年度の最大の研究成果は、ラマヌジャンデルタ関数の3次対称L関数の5つの臨界特殊値を具体的な有理数とジーゲル保型形式の内積により明示的に表示したことである(桂田との共同研究)。各臨界点での特殊値は、Zagierにより30年以上も前に予想されていたが、その後全く進展はなかった。Zagierのラマヌジャンデルタ自身の内積を用いた予想値は、我々め結果と形は若干違うが、値は我々の結果と完全に比例しており、基本的には予想を解いたと言える。これ以外にジーゲル保型形式の跡公式、超特異アーベル多様体のモジュライの不変量と4元数的エルミート群の算術的不変量、保型形式上の微分作用素と特殊多項式系等の従来の研究を継続するとともに、C.Poor, D.Yuenとパラモジュラー形式のフーリエヤコービ展開による特徴づけの研究を開始しレベル4まで完成させた。従来の研究成果の一部を4つの英文論文として投稿した。内容は一般レベルの齋藤・黒川リフト、保型形式上の微分作用素とホロノミー系(落合、葛巻と共著)ジーゲル保型形式のAtkin-Lehner理論(桂田と共著)、ジーゲルファイ作用素の全射性(Boechererと共著)であり、このうち後者2つはすでに掲載決定された。本研究プロジェクトの成果発表や研究打ち合わせのために、延べ3回の外国出張、9回の国内出張をおこない、研究分担者若槻聡等が主催した第18回整数論サマースクール「セルバーグ・アーサー跡公式入門」の旅費の一部および報告集の費用を負担し、連携研究者池田保が主催した整数論オータムワークショップの旅費の費用の一部を負担して、この分野のとりまとめに寄与したほか、外国人研究者を2名招聘して、連携研究者も合わせて広く討論した。
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Research Products
(18 results)