2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二木 昭人 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 幸則 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30191117)
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Keywords | ケーラー・アインシュタイン計量 / 乗数イデアル層 / Fano多様体 / 二木不変量 / リッチ・ソリトン |
Research Abstract |
2001年にS.Donaldsonは自己同型群が離散的な偏極多様体が,スカラー曲率一定ケーラー計量を持つならば漸近的Chow半安定であることを証明した.その後満渕俊樹は自己同型群が離散的でないなら漸近的Chow安定性の障害があることを示し,更にこの障害が消えるような偏極多様体の場合,スカラー曲率一定ケーラー計量が存在するならば漸近的Chow半安定であることを証明した.その後,スカラー曲率一定ケーラー計量が存在するならば満渕の障害は消えるのではないかという問題が提起された.当該研究者は満渕の障害は次元と同じ個数のある積分不変量が消えることと満渕の障害が消えることとは同値であることを示した.更に小野肇と佐野友二との共同研究で,これらの積分不変量はヒルベルトシリーズの微分を計算することにより得られるを示した.これらの結果から,スカラー曲率一定ケーラー計量が存在するならば満渕の障害は消えるのではないかという問題は,次のBatyrev-Selivanovaの問題が正しいかどうかが鍵となることがわかった.二木不変量が消えるトーリックFano多様体は対祢か?ここにトーリックFano多様体は対祢とは,正則ベクトル場全体のなすリー環の指標で,ワイル群の作用で不変なものは0に限るときをいう.これの反例がNill-Paffenholzにより与えられた.これに対するヒルベルトシリーズの微分の応用として,スカラー曲率一定ケーラー計量が存在するが漸近的Chow半安定でないトーリックFano多様体の例が存在することが分かった.
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Research Products
(5 results)