2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21244003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二木 昭人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 幸則 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30191117)
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Keywords | アインシュタイン計量 / ケーラー多様体 / 佐々木多様体 / Fano多様体 / 平均曲率流 / リッチ・ソリトン / 自己相似解 |
Research Abstract |
トーリック佐々木・アインシュタイン多様体の錐多様体はRicci平坦なトーリック・ケーラー錐である.この内部構造として色々な幾何構造を構成することは,トーリック佐々木・アインシュタイン多様体の錐多様体の理解を深める上で有益である.曲率に関する幾何構造を構成する一つの手段としてcohomogeity one多様体上で常微分方程式に帰着する方法がある.佐々木・アインシュタイン多様体の錐の場合,ほぼ同様の手法が使えることがわかる.これはモーメント写像を用いることにより,構成を概念的に明確化できる.その一つの結果として,トーリックFano多様体の標準直線束の冪においてリッチ流の永遠解が存在することがわかる. 2011年9月から1ヶ月北京の清華大学において8回の講義を行った他,河南師範大学,首都師範大学,北京大学,清華大学において1時間講演を行った.これによる研究成果の交換は,リッチ・ソリトンの研究にとって大変有益であった.さらに2012年1月9日から1月15日まで東京工業大学および河口湖において日中友好幾何学研究集会を開催した.中国からGang Tian教授はじめ微分幾何の精鋭が参加し,また日本からも深谷賢治教授などの参加,講演があった.ここでも,北京での研究成果交換の続きとして,清華大学Haizhong Li教授,Xiangdong Li教授とのリッチ・ソリトンの直径の評価に関する共同研究が進展した.さらに2月にも北京を訪問し,平均曲率流の自己相似解の研究につなげた.当初予定した一般化された佐々木多様体の体積最小化問題は小野肇氏と共同で取り組んだが,はっきりした道筋をつけることは困難であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度初めに予定した一般化された佐々木多様体の体積最小化問題は,はっきりした道筋をつけることは困難であったが,一般化された佐々木多様体についての理解がそれなりに得られたことは収穫であった.また,リッチ平坦トーリック・ケーラー錐での特殊ラグランジアン部分多様体,平均曲率流とその自己相似解の研究への糸口が見つかったことは大きな収穫であった.
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Strategy for Future Research Activity |
リッチ平坦トーリック・ケーラー錐での特殊ラグランジアン部分多様体,平均曲率流とその自己相似解の研究を深めることは一つの目標である.これについては研究室所属の大学院生を指導し,研究室としての成果が上がることを期待している.gluingによる特殊ラグランジュ部分多様体の構成も取り組んでみたい。 もちろん,ケーラー・アインシュタイン計量の存在とK-安定性の同値性はこの研究課題の中心的テーマであり,佐々木・アインシュタイン計量の存在とGIT安定性の関連はその延長上にある.これらを結ぶ二木不変量の色々な拡張は関連するテーマであり,非ケーラー多様体,とりわけ局所共形ケーラー多様体への応用は取り組むべきテーマの一つと考えている.
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Research Products
(5 results)