2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 哲生 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10126196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (00282814)
木村 宏 神戸大学, 大学院・理学研究科, 特命准教授 (10400011)
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Keywords | 惑星起源・進化 / 光学赤外線天文学 / 宇宙物理学 / 天文学 / 宇宙科学 |
Research Abstract |
ダストは惑星の原物質であるとともに,惑星形成の現場である原始惑星系円盤における種々の物理過程において重要な役割を演じる.ダストが散乱または放射する電磁波には,原始惑星系円盤から残骸円盤(debris disk)に至る惑星形成過程を解明する鍵となる情報が含まれている.本研究は,原始惑星系円盤や残骸円盤の今後の精密観測を踏まえ,それを解読するうえでの基礎となる統合的なダストモデルの構築を目的としている.これによって,観測から最大限の情報を抽出する基盤を提供するとともに,天文学から惑星物質科学に至る広範囲にわたる分野において個別に行われてきた円盤におけるダスト研究を整合的にリンクさせるための共通の土台を築く.その柱となるテーマとして,1)合体成長するダストアグリゲートの成長・構造進化,衝突破壊過程,2)低温結晶化の探求,3)ダストアグリゲートの光学を設定している. 本年度は惑星形成後期の星周円盤におけるダスト粒子の運動と中心星の輻射による加熱によるダスト粒子の蒸発とダストの集積帯形成,ダストアグリゲートの衝突におけるリバウンド条件の明確化,Lenard-Jones型分子ガスの凝縮素過程,とくに核形成の研究に関する研究を完成させた.これらの成果は専門誌に学術論文として出版済みである.その後,原始惑星円盤における微惑星の蒸発に関する研究を完成し,専門誌に投稿中である.加えて,今後に向けたより広い関連研究も展開し,その結果を専門誌に出版した. 本課題研究の蓄積をもとにその総括を兼ねて,平成24年8月に"Cosmic Dust"国際会議を神戸大学惑星科学研究センター(CPS)にて開催する予定である.研究代表者はその科学組織委員会委員としての活動も行っている.
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