2009 Fiscal Year Annual Research Report
輻射輸送シミュレーションが解き明かすALMA時代の天文学
Project/Area Number |
21244021
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
富阪 幸治 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 教授 (70183879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 桂一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30261358)
相川 祐理 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40324909)
大向 一行 京都大学, 大学院・理学研究科物理学第二教室, 准教授 (70390622)
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Keywords | 理論天文学 / 計算物理 / 観測的可視化 / シミュレーション / 輻射輸送 / 星間化学 / 星形成 |
Research Abstract |
1.磁気流体力学シミュレーションによって得られた磁気駆動の分子アウトフロー現象について、その観測予測を、星間分子CO、SiOの回転遷移について調べた。SiO(J=7-6)ラインで観測より速度分布に磁気駆動アウトフローに特有な回転の特徴が見られることがわかった。 2.入れ子状格子用の非局所熱平衡(nonLTE)輻射輸送プログラム第1版を開発した。入れ子状格子を用いない場合に、光学的に厚い分子線の強度分布に生じていた非物理的な短波長の構造がのぞけることが分かった。 3.活動銀河中心核近傍の分子ガスの3次元構造を高精度流体・化学進化計算により初めて明らかにした。強い紫外線下でも、高密度の分子雲コアが生き残ることが明らかになった。 4.さまざまな金属度環境における星形成過程を調べるため、高密度コア中での化学・輻射過程のうち熱進化に直接影響を与えるものを選び出して、流体計算に組み込むことに成功した。 5.星間雲で起こる化学反応について、(1)炭素同位体(^<13>C,^<12>C)を含む反応ネットワークを構築し、炭素同位体比(^<12>CX/^<13>CX)および異性体比(^<12>C^<13>CX/^<13>C^<12>CX)の時間進化および分別過程を調べた。(2)星なしコアから原始星コアまでの星形成進化過程において、ガス分子と氷分子の重水素比(XH/XD)が時間、温度とともにどのように変化するかを、数値計算によって調べた。
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