2010 Fiscal Year Annual Research Report
輻射輸送シミュレーションが解き明かすALMA時代の天文学
Project/Area Number |
21244021
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
富阪 幸治 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70183879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 正博 国立天文台, 理論研究部, 助教 (10402786)
和田 桂一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30261358)
相川 祐理 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40324909)
大向 一行 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70390622)
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Keywords | 理論天文学 / 計算物理 / 観測的可視化 / シミュレーション / 輻射輸送 / 星間化学 / 星形成 |
Research Abstract |
1.磁気流体力学シミュレーションによって得られた磁気駆動の分子アウトフロー現象について、ダスト熱輻射の偏光パタンの観測予測シミュレーションを行い、トロイダル磁場に特有の偏光パタンが見いだされ、分子アウトフローの駆動源を特定できる可能性を示した。 2.三次元抵抗入りMHD多層格子法の数値コードを用いた大規模数値シミュレーションによって、第一コアが原始星形成後に直接星周円盤になること、この重い円盤中では、分裂により原始ガス惑星が形成可能であることが分かった。 3.活動銀河中心核近傍の星間ガスの流体モデルに対して、中心核からのX線の効果を取り入れた輻射化学計算を行い、ALMAでのCO輝線観測の予測を行った。またCO/HI l-v図上の構造の同定により銀河系の3次元構造をはじめて明らかにした。 4.3次元輻射MHDシミュレーションにおいて、多数の流体素片の軌道を追い、素片内の温度・密度の時間進化得た。その温度・密度進化に沿ってガスおよび星間塵マントルでの化学反応を解き、ファーストコア形成時の分子組成の空間分布を求めることができた。分子の組成分布はほぼ温度分布で決まること、現在Class I天体で検出されているHot Corino分子がファーストコアの段階でも存在することが示された。 5.大質量原始星の観測的性質を解明すべく原始星が円盤を通じて降着成長する際の進化を計算した。これにより星が約10太陽質量の時に半径が膨張し表面温度が低くなるという性質を見出した。
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