2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244022
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
林 正彦 国立天文台, 大学共同利用機関等の部局等, 台長 (10183914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 宏 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (00425406)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 天文学 / 光学赤外線天文学 / 波面補償光学 / 系外惑星 / ドップラー法 / 惑星系形成 / 高分散分光 / 回折格子 |
Research Abstract |
近赤外線2ミクロン帯において吸収バンドを示す特殊なアンモニアガスセルを開発導入することにより、赤外線高分散分光装置IRCSを用いて平成23年度までに達成した「視線速度決定精度23.6m/s」の高精度(波長分解能2万では世界最高)な赤外線高分散分光を、平成24年度ではより広範な天体サンプルに対して適用し、本格的な観測展開を遂行した。この期間、すばる望遠鏡の観測セメスターS12Aにおいてスペクトル型M3.5VからL0Vまでの低質量星35個を対象にした観測提案を行い、三夜の割り当て時間を獲得することに成功した。残念ながら悪天候により約15%程度の完遂率に終わったが、ここで得られたデータに対して赤外線検出器の非線形補正を徹底的に行うことにより、再現良く25m/s程度の視線速度決定を示すことができた。このことは、赤外線域という困難な波長域において、特殊なガスセルを導入し、検出器個性を丁寧に排除することで、定常的・安定的に高精度~25m/s)な視線速度決定が可能なことを示したものであり、これ以降にすばる望遠鏡で展開される予定の赤外超高分散分光による惑星探査(目標視線速度決定精度1m/s)に向けた重要な第一歩を達成したことになる。また、赤外線域において次世代超高分散分光装置を開発中のハワイ大学のグループ(観測装置SHELL、PI: Alan T. Tokunaga)や名古屋大学のグループ(観測装置 IRHS、PI: 平原靖大)と、得られた観測データについての検証議論を行い、(a) 補償光学が観測データの質を決定する上で本質的な役割を果たしていること、(b) 赤外線検出器の非線形補正が実効的であること、を結論すると共に、(c) 達成した視線速度の有効性、について確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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