2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244036
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 青司 Kobe University, 理学研究科, 教授 (80201870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 武夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20012487)
坂井 典佑 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80108448)
細谷 裕 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50324744)
川村 嘉春 信州大学, 理学部, 教授 (10224859)
波場 直之 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (00293803)
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Keywords | Gauee-Higgs Unification / 標準模型を越える物理 / CP対称性の破れ / 電気双極子能率 / コンパクト化 |
Research Abstract |
素粒子の「標準模型」は完全に確立された理論と言えるが、理論的にはHiggs粒子に関わるいくつかの不満足な問題点があり、"標準模型を越える"新たな理論の構築とその検証が急務となっている。標準模型を越える理論として近年、余剰次元(extra dimension)を持った高次元理論が大きな注目を集めている。しかし、一般には高次元理論は、ゲージ理論でさえも繰り込み不可能であるため物理量への量子補正は発散を伴い物理量の予言は難しい。 幸いなことに、代表者は最近"Gauge-Higgs Unification"シナリオにおいては高次元的ゲージ対称性のおかげで、紫外発散を被らない有限な値としていくつかの重要な物理量に関して予言を行う事が可能であることを初めて示した。 今年度は、こうした予言可能な物理量の例として電気双極子能率を取り上げ、現実的なモデルを用いて予言値を求めて、データとの比較により余剰次元のサイズに関する上限を得た。それと並んでGauge-Higgs Unification特有の新しいタイプのCPの破れの機構(電気双極子能率はCPの破れで生じる)として、Higgsの真空期待値と高次元的な質量との相乗作用による破れの機構を論じた。更には、余剰次元のコンパクト化の仕方によってCP対称性を言わば"自発的"に破る事が可能な事を別の論文を発表して論じた。こうした機構を提唱した理由は、Gauge-Higgs Unificationにおいては湯川結合さえも実パラメターと成るため、CPの破れを実現する事は自明でなく、新しいタイプの破れの機構が必要となり、このシナリオの成否に本質的に重要であるからである。
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Research Products
(5 results)