2012 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気環境で促進される生命史ー現場観測・培養・遺伝子から解く有孔虫進化のパラドクス
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21244079
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
北里 洋 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 領域長 (00115445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 正史 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, チームリーダー (00435835)
小栗 一将 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 技術研究主任 (10359177)
豊福 高志 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, チームリーダー (30371719)
力石 嘉人 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 主任研究員 (50455490)
野牧 秀隆 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 研究員 (90435834)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 無酸素環境 / 真核単細胞生物 / 進化 / 適応生態 / 有孔虫 |
Research Abstract |
本研究は「海成真核単細胞生物は無酸素環境に適応している」ために、「無酸素海洋で進化する」ことができるメカニズムおよび貧酸素環境に生息する真核単細胞生物の適応生態を明らかにすることを目的としている。そのために無酸素環境において遺伝子流動、突然変異等をきっかけにした新しい代謝系の獲得が行われ、結果として飛躍的に進化するという作業仮説を立て検証を試みた。 2011年に下北沖酸素極小層で採取した堆積物試料について有孔虫の群集解析を始めとする多項目の検討をユトレヒト・アンジェ・ボルドー大学と共同して行った。2012年11月にボルドー大学で成果報告会を開催して内容を検討、国内外の学会で発表した。また、鹿児島県甑島なまこ池や仙台沖でも現場観測を実施し、底生有孔虫や嫌気性原生生物の採集を行い、細胞生物学的検討を行った。あわせて、マリアナ海溝を含むさまざまな海洋環境で観測した二次元酸素プロファイルの分析結果をまとめ、公表した。 天然の無酸素環境から採取した試料に加え、実験室内に嫌気あるいは好気環境を再現した飼育系を開発し、有孔虫を培養して細胞内小器官やバクテリアの分布について検討した。また、有孔虫、共存するバクテリアを含む有孔虫以外の遺伝子について分子系統解析を行った。さらに、殻の内部の有機物に、無酸素呼吸をした痕跡が微量元素組成や同位体比変化として記録されていないかどうか分析を行った。成果は国際誌に報告した。 本年度は成果の取りまとめを行った。国際学会に積極的に参加して報告するとともに、研究集会を企画した。7月には Field workshop on living foraminifera(沖縄・瀬底、横須賀)を実施し集中的に議論した。更に、貧酸素水塊が卓越するアラビア海の研究テーマを軸として、研究代表者がguest editorとなりBiogeoscience の特集号を企画した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(43 results)