2009 Fiscal Year Annual Research Report
超親水から超撥水まで濡れ性を制御した高温面上の相変化現象の学理と技術
Project/Area Number |
21246036
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 保之 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (70171444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 正孝 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40165725)
河野 正道 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50311634)
久保田 裕己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10117103)
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Keywords | 表面・界面物性 / 熱工学 / 接触角 / プラズマ照射 / 酸化チタン / 液滴蒸発 / 超撥水 |
Research Abstract |
本研究では(1)濡れの制御技術の開発と(2)相変化伝熱に及ぼす濡れ性の効果について,集中的に研究を実施している.平成21年度は,(1)については加熱・冷却サイクルによる接触角の変化とそのメカニズムの解明に着手した.常温で予め接触角を測定したステンレスのサンプル板を加熱炉に入れ,窒素雰囲気で600℃程度まで加熱し,常温まで徐冷した後に再度接触角を測定した.加熱前は80°程度あった接触角が加熱・冷却後には3゜程度まで親水化していることを確認した.この表面について,ラマン分光器でスペクトルを調べたところ,加熱・冷却前後で明らかにスペクトル分布が異なることが分かった.次年度以降はXRDやXPSにより表面から数nmの深さ方向の元素分析によりどの物質が濡れを支配しているのかを明らかにする予定である.(2)については,種々の粗さの金属表面を650℃まで加熱し,マイクロジェットディスペンサーより射出される300~700μmの液滴が衝突する挙動を高速度カメラで観察した.そして,固液接触時間と最大広がり直径と加熱面温度,衝突速度,液滴直径との関係を画像解析により求めた.その結果,液滴の衝突速度が増加すると,最大広がり直径は増加するが,固液接触時間は減少することが分かった.ただし,これらの結果は濡れ限界温度付近を境に傾向が異なることが明らかになった.今後は液滴1個が奪う熱量の測定を実施するとともに,伝熱整理式の作成を行う予定である.
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Research Products
(8 results)