2010 Fiscal Year Annual Research Report
水素化リチウムを用いた革新的水素貯蔵・輸送システムの構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21246113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 讓 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80108464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 修 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60447141)
竹中 俊英 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (60197324)
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 教授 (70220259)
上田 幹人 北海道大学, 工学研究科, 准教授 (00292053)
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Keywords | 水素エネルギー / 水素貯蔵 / 水素化リチウム / 溶融塩電解 / 水酸化リチウム / 熱化学反応 / 金属リチウム |
Research Abstract |
本研究は水素の有効利用を通じて、次世代エネルギーの革新を狙うものである。水素は将来のエネルギーを担うものと期待されているが、貯蔵・輸送に問題を抱えている。研究代表者らは、水素の貯蔵・輸送を簡便・低コストで行うために水素化リチウム(LiH)を用いることを提唱している。これは水素(H2)そのものではなく、LiHの形で貯蔵・輸送を行い、必要に応じて水との反応によってH_2を得るものである。この際に生成するLiOHよりLiHを再生する必要がある。これにはLiOHから電解によって金属Liを作り、LiH→LiOH→Li→LiHのサイクルを確立することが必要になる。このサイクルは、H_2を得るためのLiHと水の反応、LiOHからのLiの製造、別途製造されるH_2とLiとの反応によるLiHの再生からなる。本研究の目的はこれら3つのサイクルにおける、要素技術の確立にある。 22年度は、前年度に引き続きLiOHからのLiの電解製造に関する実験を行うと共に、H_2とLiとの反応についての実験的検討を行った。電解については、電解浴を21年度のLiOH-58mol%LiCl混合塩からLiCl-KCl共晶塩に変更し、アノードとカソードを分離して電解時にLiOHをアノードに投入する方法を採用した。これにより、析出したLiとLiOHとの反応を避け、かつCl_2ガスの発生を伴わずに、高い電流効率でLiを析出させることが出来ることを明らかにした。LiとH_2の直接反応によるLiH合成を追跡するための熱天秤装置を新たに開発して、上記サイクルの中でも電解と並んで要となるLiによるH_2の吸収の反応速度を検討した。その結果、生成するLiHが固体であっても合成反応は十分に進行することを確認した。またこの反応はLiHの融点である約690℃より高温では、より速やかに達成されることが明らかとなった。反応速度の活性化エネルギーの詳細については検討中である。
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Research Products
(6 results)